スペイン南東部に降り注いだ奇襲豪雨で浸水した大型ショッピングモールの地下駐車場の排水作業が進み、死亡者が急増しかねないという懸念が高まっている。
4日(現地時間)、APTNによると、スペイン・バレンシアのアルダイア市救助隊は同日、ボナイレ・アルダイア・ショッピング・センターの地下駐車場を捜索するため、水を汲み出した。ユーチューブに投稿された現地作業映像を見れば、駐車場の入口に設置した青い排水ポンプから泥水が果てしなくあふれ出た。
豪雨によって地下駐車場の入口まで水があっという間に入り、序盤の捜索作業は不可能だった。目撃者の証言によると、5800面規模の地下駐車場には水が3メートルの高さまで上がったという。1日、駐車場内部に接近したダイバーたちは数人の遺体を発見したが、泥水に視界を確保できず捜索が中止された。
このショッピングセンターはバレンシアで最も大きなショッピングモールの一つで、流動人口がかなり多かったと伝えられた。これに対し、救助当局は地下駐車場の捜索過程で浸水によって脱出できなかった人々の遺体がさらに発見されると予想している。一部の消息筋は現地メディアに「ここは共同墓地」という暗鬱なニュースを伝えた。
スペインのオスカル・プエンテ運輸大臣もX(旧ツイッター)に「まだ浸水した地層や車庫、地下室、地下駐車場などが残っている」として「このような空間で死亡者が発見される可能性がある」と書いた。また、現地メディアに「我々はまだここで何が発見されるか分からないので、数値を言う人々の話はただ推測に過ぎない」として注意を呼びかけた。
ただ、救助当局によると、同日午後5時現在、ショッピングセンターの地下駐車場でさらに発見された死亡者はいない。先月29日に降った奇襲豪雨による死亡者は、3日までに217人となった。スペイン当局は残りの行方不明者を数十人と推算した。
こうした中、スペイン気象庁は同日、カタルーニャ州バルセロナに一時大雨赤色警報を発令したが、解除した。バルセロナ地域に雨が降り続き、空港が一部浸水し、約50便の航空便がキャンセルされたり遅延されたりした。17便の航空便は航路を変更した。