[画像] グリル厄介 〜最恐スズメバチ〜

城島、リチャード、松島がやって来たのは、北海道・釧路。
「今日の厄介者は下手したら…」「はい、刺されたらアウトです」
そう、今回のターゲットは、この秋口に猛威を振るうスズメバチ。
全国各地、毎年1万人以上がその被害に。さらに、死者数は熊や毒ヘビを大きく上回る。そして今、その厄介者が北海道で急増中。「養蜂場でも被害が出てしまってる」

訪ねたのは、「西岡養蜂園」。と、「飛んできた!ミツバチを狙ってる」ミツバチを襲いに来たのは、全身を黄褐色の毛に覆われた“キイロスズメバチ"。
どう猛で毒性が強く、環境への適応能力も高いため、都市部にも巣を作り、全国で最も被害が多い厄介者。

が、今回はコイツをも超える最恐スズメバチがターゲット。
世界におよそ70種類いるスズメバチの中で、最大の“オオスズメバチ"。
その大きさ、他のスズメバチと比べても差は歴然。

さらに、「毒量が断トツに多い」最大の武器は、お尻から出てくる毒針。
刺されると激痛と共に患部は腫れ上がり、最悪の場合、死に至ることも。
「噛みついて何度も刺す。顎の力は相当強い」その強さは、自身の2倍以上も大きいカマキリを噛み砕き捕食するほど。

と、一匹のオオスズメバチが、巣箱の前にいるミツバチを一瞬の隙を突き、「一匹連れ去った!」「(ミツバチを)噛み砕いて団子にして巣に持ち帰る」
しかし城島、気になることが。「スズメバチが来たらミツバチが集まって熱でやっつける」それはニホンミツバチによる、スズメバチ撃退法。

集団で体を震わせ発熱、スズメバチが死に至る47℃以上まで上げ蒸し殺す技。しかし、「(スズメバチが)集団で来たらひとたまりもない」
さらに、「ここ数年で(スズメバチが)爆発的に増えた」特に猛暑となった昨年は釧路市でスズメバチが激増。被害相談件数が例年のおよそ3倍に。

「温暖化の影響で関東より北海道の方が棲みやすくなってる可能性も」中でも特に目撃情報が多発するエリアが「住宅地に侵入して巣を作ってしまう」
と、住宅の軒先に、直径40cmの巣が。巣の主はキイロスズメバチ。巣穴からは無数のハチが!「もっと大きくなる」巣作りに長けたキイロスズメバチ、最大で直径1mにも。

さらに、厄介なのが「キイロスズメバチを襲いにオオスズメバチもやってくる」
ヤツらに気付かれる前に駆除せねば。城島愛用の高性能防護服を着用し、今回は後輩2人がオオスズメバチとの戦いの前に経験も兼ね、先頭となって作業することに。

初心者・松島が巣穴から出てきたハチを吸引機で。リチャードが吸い切れないハチを網で。
「怖い…怖い…!」恐怖心と戦いながらも格闘すること10分、巣を撤去し、駆除完了。確認すべきは「女王バチが獲れればこの巣は壊滅」女王バチを含め、200匹以上を捕獲。

最後に「オニヤンマのハチ対策グッズを吊るす」というのも、オニヤンマは肉食、スズメバチを捕食する数少ない天敵。そして、ここからが大本命。
「森に川が流れてる」「オオスズメバチは湿った場所を好んで巣を作る」ヤツらを捕まえるのに必要なのが「巣蜜。これに寄ってくる」事前に用意したミツバチの巣。

これを仕掛け、「巣蜜に飛んできたハチに目印のチラを付ける」エサにおびき寄せられたスズメバチに括り付けて放せば、巣のある方向へ。それを追いかければ巣の在処がわかる。
仕掛けるのは、できるだけ匂いが広がるよう、森の近くに。全部で3か所。と、設置して3分!スタッフ「(オオスズメバチ)いました!」今回は松島が初めてのチラ付け。

放したスズメバチは高く上がり、「目視とドローンで追いかける!」目視では限界だが、ドローンが捉えていた。スズメバチを追って、森の奥へ!
しかし、一瞬でドローンの追尾も振り切られ、今度は別のオオスズメバチの姿が。「仲間が偵察に来てます。チラのスズメバチが警戒フェロモンを出したかも」

となれば、「巣が近づいてきたので気をつけて!」警戒フェロモンで攻撃的に。ここから先は防護服で。と、チラを付けたスズメバチを再び発見!
そいつを追いかけて行くと、「ハチがいっぱい集まってる」「オオスズメバチの巣だ!!」草木が茂る木の根元に巣を発見!直径15cmほどだが「木の中の方まで巣ができてる」

オオスズメバチの多くは外敵から身を守るため、土の中に巣を作る。そのため一見入り口は小さいが、掘り返せば巨大な巣が露わに。
この下に巨大な巣が構築されている可能性が。まずは超小型カメラで巣の内部を偵察。「うわ、凶暴!バンバンぶつかってくる」「1匹のサイズがでかい」推定100匹!

ここは松島、さっきの経験を活かし、巣からオオスズメバチを吸い出していく。「カチカチ言って威嚇して相当怒ってる」「キイロ(スズメバチ)と違ってめっちゃ向かってくる」
そして、頃合いを見て「ここ(木の根元)掘りましょう」ある程度、掘れたら「手を突っ込んで!出るよ!一番危ないところ」「結構奥まである」「出た!オオスズメバチの巣」

巣を回収したら、最後に「戻りバチを捕獲しましょう」女王バチも確認できたら、捕獲完了。
結果、キイロスズメバチもオオスズメバチも大量捕獲!このどう猛で凶暴な厄介者を美味しくいただくため、東京に戻ってきた3人が訪ねたのは、和食の名店「鈴なり」店主・村田明彦。

和食の老舗「なだ万」で修行を積み2005年に「鈴なり」をオープン。2012年からミシュランガイドに一つ星として7年連続掲載。
ハチは日本では江戸時代から、貴重なタンパク源として食べられていた。村田さんは調理未経験と言うハチだが、「毒は火を通せば大丈夫だが、今回は新鮮なので毒針は抜いて」

小麦粉をまぶして揚げてみると「硬い。エビに近いかも」「オオスズメバチの方が土の味が強い」木の根っこに巣を作っていたオオスズメバチ。問題は硬さと土臭さ。
続いてハチの子は、「エビの味と白子がミックス」北海道に急増するこの厄介者を、素材の味を生かした料理にこだわる新・和食の達人は、どう美味しくするのか?

一品目は、「オオスズメバチの茶碗蒸し」卵と出汁に裏ごししたハチの子を加え、クリーミーさをプラス。素揚げした成虫をすり潰し、乾煎りした“ハチ胡椒"をのせてスパイシーに。
「美味!!濃厚でスパイシー」「ほんまクリーミーやわ」「いい意味で土っぽさを感じる」

二品目は、「キイロスズメバチのかき揚げ」ハチが持つエビっぽい味を生かして桜エビの代用でかき揚げに。根菜やきのこなど山の幸と、揚げて砕いたキイロスズメバチを混ぜて。
キイロスズメバチで出汁をとった天つゆでいただけば「合う!めっちゃエビ」「根菜類使ってるから、ハチの土っぽさが山の幸の旨味に変わってる」

締めの三品目は「キイロスズメバチの炊き込みご飯」旬の野菜をオキアミと炒めることでコクを出す。ご飯にキイロスズメバチの佃煮を混ぜ合わせ、いま旬の丸茄子に詰めれば、少しクセのあるキイロスズメバチの味をその甘みで中和してくれる。
「香ばしさとフルーティーさを感じる」「すべてが調和がとれててハチがいいアクセントに」
罪はないが厄介者、その生命、美味しくいただきました!