サークルの秩序を理由に交際は隠され、会えば「オトナの恋愛」を迫られる日々。しかも二股をかけられていたうえ、知らぬうちに不倫相手にされていたすみれさん。

ショックと悲しみから章司さんとは連絡を取ることなく地元を後にしますが、結婚や子供の事実がバレていないと思っている章司さんは、その後も「すみれが恋しい」「いつこっちに戻ってくる?」と彼氏ヅラで連絡し続けてきたそう。

◆怒りが爆発! 「すべてを話してやりました」

「一度も返信していないのに、ゴールデンウィークや夏休みといった大型連休が近づくと頻繁に連絡がくるんです。私が帰省するタイミングで関係を持ちたいという魂胆が見え見えで。バカにされてる悔しさと、奥さんも子供もいるのにという思いからついに怒りが頂点に達し、友人の姉にすべてを話してやりました」

驚いた友人の姉が章司さんを問い詰めたところ、すみれさんの前後にも女子高生の団員と二股や不倫を繰り返していたことが判明。

授かり婚をした妻も出会った当初は高校生だったそうで、サークル思いの社交的なイケメン社会人だと思っていた彼の本性は、女子高生ばかりを見境なくたらし込むクズ男でしかなかったのでした。

しかも発覚当時に付き合っていた団員の女子高生は、不倫とわかっていながら交際していたそうです。

「関係が明るみになったことでその子も章司さんも退団しましたが、のちに元団員の子が妊娠して高校を中退。奥さんとドロ沼の3者バトルを繰り広げた末、章司さんは奥さんと離婚して、すぐに元団員の子と再婚したとうわさで聞きました」

◆クズ男の身勝手さを許せない。青春を返せ!

章司さんとの恋愛がトラウマとなったすみれさんは、男性を信用できなくなり、その後の恋愛でかなり苦労したと言います。

「生理中でも求めてきたり、避妊もろくにしてくれなかったり、聞こえの良い言葉を並べて自分の性欲を満たす最低な男でした。

今ならおかしいと思えることも、恋愛経験の少ない高校時代に『大人の恋愛とはこういうもの』と言われて信じてしまったんですよね。今思い返しても許せなくて、私の青春を返せ! という気持ちです」

一歩間違えば退団に追い込まれた女子高生と同じ道を歩んでいたかもしれないすみれさん。

言葉巧みに近づいて、心と体を弄ぶ卑劣な男に人生を狂わされないためにも、「たとえ真剣に愛を語ってきても、交際を隠そうとする男には絶対に関わっちゃダメ!」と力を込めたアドバイスを残してくれました。

<文/はつ>

【はつ】
各々が遭遇した小説より奇なる日常にスポットをあてるフリーライター。趣味は心理学的観点からの人間観察と全国の赤提灯巡り