今週から活動が始まった日本代表の10月シリーズ。
10日(木)に行われるワールドカップ最終予選のサウジアラビア戦に向け、選手スタッフは日本や欧州から続々と敵地に乗り込んでいる。
週末の試合で怪我をしてしまい、残念ながら不参加となったのが先月A代表デビューを飾った川崎フロンターレの20歳DF高井幸大。
代わりには、同じパリ五輪代表の22歳DF関根大輝が招集された。
ここで気になるのが、高井のポジションがセンターバックであるのに対し、関根は右サイドバックであること。
187cmの大型サイドバックとして期待される関根は、静岡学園高校時代センターバックだったものの拓殖大学でコンバートされている。
そんな関根が招集された一方、欧州にはクラブでスタメンを張っている日本人センターバックが何人もいる。
実力以外の理由でメンバーに入ることができなかったのかもしれないが、今回代役としても呼ばれなかった3人の守備者を紹介したい。
渡辺剛
ベルギー1部で現在3位につけるヘントにおいて、開幕から全10試合にフル出場している渡辺剛。
センターバックとして今季もチームの大黒柱であり、しかもクラブでは現在の日本代表と同じ3バックでプレー。にもかかわらず代表に絡めない現状は本人にとってショックかもしれない。
今年1月のアジアカップでも見せたように、空中戦の強さはおそらく現役日本人選手トップ。スピードのある相手への対応力も高く、ストッパーとしては非常に優秀だ。
ただ、ビルドアップに関しては向上の余地が大きく、日本代表ではこれまで守備固めでの起用が主。となれば、27歳の渡辺で「あるべき理由」が今は少ないということだろうか。
藤井陽也
藤井陽也は今年1月に名古屋グランパスからベルギー1部のコルトライクへ期限付き移籍。この夏に完全移籍へ移行した23歳のDFだ。
身長は関根と同じ187cmだが、こちらは本職のセンターバック。守備対応に優れるだけでなくビルドアップやボールの持ち上がりなども得意としており、高井の代役としては適任と言えるタイプだ。
昨年3月に日本代表へ初招集され、今年1月の親善試合タイ戦でデビュー。当時はまだ日本でプレーしており、森保一監督はポテンシャルを含め藤井のことを高く評価しているはず。
コルトライクでは今季ここまで7試合に先発(1試合途中出場)。今回は残念ながら代表復帰を果たせなかったが、次のチャンスを目指してクラブで結果を残し続けることが大事だろう。
チェイス・アンリ
最後は、今季ブンデスリーガだけでなくCLデビューも飾ったシュトゥットガルトのチェイス・アンリ。
アメリカ人の父と日本人の母を持つ20歳のDFは、福島の尚志高校から2022年4月、直接ドイツ1部のシュトゥットガルトへ加入。セカンドチームで経験を積み、トップチームへ合流した。
今季は伊藤洋輝らの移籍や怪我人もいるなかでセバスティアン・ヘーネス監督の信頼を勝ち取り、途中出場ながらレアル・マドリーやドルトムントとも対戦している。
日本人離れしたパワフルな守備は大きな魅力。ただクラブと違い、活動期間の短い代表に適応するための技術や個人戦術が不足している面は否めず、日本代表入りに向けた課題となりそうだ。