[画像] Ubisoftのディレクターがゲーマーを「まともではない人間」と非難



「アサシン クリード シャドウズ」を槍玉に挙げられたUbisoftのマネタイズディレクターが、同社とその製品を批判するゲーマーたちを「まともな人間ではない」と呼びました。Ubisoftの株価は「アサシン クリード シャドウズ」や「スター・ウォーズ 無法者たち」の失敗で10年ぶりの安値に達し、投資家は同社に身売りを迫っていると伝えられています。

Ubisoft director blames gamers, says they've been exposed as 'non-decent humans'

https://www.tweaktown.com/news/100855/ubisoft-director-blames-gamers-says-theyve-been-exposed-as-non-decent-humans/index.html

Monetization Director At Ubisoft Stevy Chassard Lashes Out At Gamers And Fellow Developers

https://thatparkplace.com/monetization-director-at-ubisoft-stevy-chassard-lashes-out-at-gamers-and-fellow-developers/

「アサシン クリード シャドウズ」は、織田信長に仕えたとされる黒人男性「弥助」と、オリジナルキャラクターである伊賀のくノ一「奈緒江」を主人公に据えた物語ですが、コンセプトが発表された当初から「誤った日本観を伝えかねない」として日本のみならず世界中から非難を受けていました。

この問題に関しては、ゲームにあるように弥助が「侍」として認められるのかどうか、日本を舞台とした作品に黒人を起用すること、日本の文化を正確に描写していないことなどへの批判が複雑に絡み合っており、特に日本国内では弥助を日本国外に紹介した1人である研究者の認識についての問題などにも波及しています。



新たに、Ubisoftのマネタイズディレクターであるスティービー・シャサード氏が、ゲーマーや開発者仲間を激しく非難したことがわかりました。

シャサード氏はLinkedInへ以下の文章を投稿しました。

「私はソーシャルメディアにあまり投稿しませんが、今日は悲しいです。恥ずかしく、悲しい気持ちです」

「ゲーム業界が現在厳しい状況にあることは、私たち全員が知っています。しかし、ソーシャルメディアで『ゲーマー』が企業や個人に対して悪意を持って反応する様子を見ると、とても悲しくなります。(Ubisoftに限ったことではありません)」

「ソーシャルメディアで声を上げるのは常に少数派ではりますが、私は傷つき、コミュニティの一員であることが恥ずかしいと感じました」

「さらに胸が痛むのは、LinkedInで業界内の人々から同じようなコメントを見ることです。こういう人は明らかにまともな人間ではなく、すでに大量の憎しみにさらされながらも素晴らしい体験を届けようと努力している何千人もの従業員に悪影響を与えています」

「自分に合わないから、または製品が気に入らないからといって、会社が失敗することを望む気持ちは私には理解できません」

「私たちは皆同じ船に乗っています。どうか、憎しみを広めるのではなく、互いに励まし合いましょう」





上記の投稿には、「すべての顧客に迎合する必要はないという彼の意見は正しいが、お金が欲しいなら顧客にアピールする必要がある」との意見や、「あなた方の製品を買うことを拒否し、クリエイティブであるはずのものにイデオロギー的なメッセージを押し込んだためにあなた方の会社を非難する人々を『ヘイト』と呼ぶのは、あなたがうそつきで、人を操る愚か者であることを露呈させるだけ」との批判、「不満を言っているのが本当に少数派なら、なぜUbisoftの収益は減少しているのでしょうか?実際の売上が裏付けています」との声が寄せられました。

なお、「アサシン クリード シャドウズ」はリリースの延期が決まっています。



Ubisoftの株価は、上記「アサシン クリード シャドウズ」の延期に加えて「スター・ウォーズ 無法者たち」へ多数の低評価を受けたためか2カ月で50%以上も急落し、過去10年で最安値に達しました。

CNBCの報道によると、Ubisoftの株式を1%弱保有するAJ InvestmentsがUbisoftをプライベートエクイティや中国のゲーム大手Tencentに売却するよう他の株主と協力していると述べたとのことでしたが、後にUbisoft創業者の持株会社・Guillemot BrothersとTencentが買収について協議しているとの話が関係者によりもたらされたことがわかっています。Ubisoftの年次報告書によると、Tencentは2024年4月末時点でUbisoftの純議決権の9.2%を、Guillemot Brothersは約20.5%を保有していたとのことです。なお、買収報道を受けてUbisoft株は最大33%上昇し、1996年の同社の新規株式公開以来の大幅な上昇となりました。

Ubisoftが中国・Tencentに身売りを検討中との報道、株価が30%超の高騰 - GIGAZINE



by Tim Bartel