2026年から5年間適用される第12次韓米防衛費分担特別協定(SMA)が2日に妥結したと、韓国外交部が明らかにした。防衛費交渉を行うたびに最大の争点となった初年度総額引き上げ率は8.3%で、毎年の分担金を物価に連動して引き上げることにした。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時に適用されて批判を受けた国防費引き上げ率連動方式は廃止することにした。

韓国外交部は4日、「4月に公式協議を始め、5カ月間に計8回の集中的な協議をした結果、8回目の会議(先月25−27日、1−2日)で交渉を最終妥結した」とし「第12回SMAの有効期間は2026年から2030年までの5年間」と明らかにした。今回の交渉の首席代表は韓国側は李泰雨(イ・テウ)韓米防衛費分担交渉代表が、米国側はリンダ・スペクト国務省政治軍事局補佐官が務めた。協定の仮署名は3日に行われた。

外交部の李在雄(イ・ジェウン)報道官はこの日、「現行の国防費増加率の代わりに消費者物価指数(CPI)増加率を年間増加率として上限ラインを再導入したのは今回の交渉の重要な成果」と強調した。また「第11次SMA有効期間内に十分な時間を置いて第12次SMAが妥結し、安定的な履行を担保に寄与する」と述べた。従来のSMAの有効期間は2025年まで。

文在寅政権当時の2021年に妥結した第11次SMAの場合、毎年引き上げられる防衛費分担金の基準を国防費増加率に連動させた。「韓国の国力を反映した合理的基準」としながらだ。これを基準に総額は2020年の1兆389億ウォンから2025年には1兆4028億ウォン(1540億円)へと35%増えた。年平均上昇率は6.2%。

しかし防衛費と国防費が共に上昇する構造は大きな欠陥と指摘された。韓国の国防予算が増えるほど連合防衛に対する韓国の寄与度が高まるが、相互補完的な両費用が同時に増えるのは論理的矛盾であるうえ韓国側の負担が過度に重くなるという理由だった。

しかし第12次SMAでは過去の第7・8次SMA当時に適用した物価連動方式にこれを戻した。協定初年度の2026年の総額(1兆5192億ウォン)を開始点とし、2027−30年には前年度分担金に前前年度CPI増加率を反映して総額を決める。

これを受け、2027年には2025年度CPIを適用することになるが、該当年度のCPIの2%水準が維持されると仮定すれば、協定最終年の2030年には1兆6444億ウォンに総額が増える。初年度(2025年)と比較して17.2%増だ。年平均上昇率は3.2%と、直前の第11次SMA(6.2%)の半分水準となる。

仮に第12次SMAでも第11次と同じように国防費増加率に防衛費を連動させた場合、大幅の総額増加になる状況だった。2015年から10年間の年平均国防費増加率が5.25%だったという点を考慮し、毎年の国防費増加率を5%として適用する場合、協定最終年の2030年には防衛費が1兆8466億ウォンに増える。協定最終年の2030年には物価連動方式を適用した場合に比べて約2000億ウォン多く出すという計算だ。

今回の協定では年間増加率の上限ラインも再導入し、5%に設定した。