[画像] 中国山西省、更なるエネルギー革命を推進

中国山西省、更なるエネルギー革命を推進

山西美錦グループの水素エネルギープロジェクト。（2023年5月撮影、太原＝新華社記者/王勁玉）

　【新華社北京9月20日】中国山西省は国のエネルギー革命総合改革モデル省として、この5年で風力や太陽光など新エネルギー発電の設備容量が倍増し、炭鉱のスマート化された生産能力の割合も54％に上昇した。新エネルギー車（NEV）や水素エネルギーなど産業チェーンの質・効率が向上し、科学技術の進歩によって新製品のバージョンアップも進み、新たな応用シーンが次々と現れ、従来型エネルギーの主産地で新エネルギーやグリーンエネルギーへの転換が加速している。

　新エネルギーは山西省の新たな代名詞となった。同省が確定した16の省級重点産業チェーンのうち、新エネ関連は太陽光発電や風力発電設備、水素エネルギー、新エネ車、新型エネルギー貯蔵など複数に及ぶ。

　資源型の従来産業と異なり、新エネルギーの発展の駆動力は科学技術イノベーションによるところが大きい。山西省科技庁の劉俊義（りゅう・しゅんぎ）庁長によると、同省は新型エネルギー体系の構築をめぐり、科学技術イノベーションに関する一連の行動を展開し、再生可能エネルギーや先進エネルギー貯蔵、水素燃料電池などの面で中核技術のブレークスルー実現に取り組んでいる。

　昨年12月以降、太原市と大同市にイノベーション駆動型発展の実証エリア「晋創谷」が相次ぎ設置された。テック企業が率いるイノベーションコンソーシアムが入居し、新たな推進エネルギー形成の重要な担い手となっている。同省には現時点でエネルギー分野の国家級イノベーションプラットフォームが6カ所、省重点実験室が38カ所、省技術イノベーションセンターが33カ所、新型研究開発機関が10カ所設立されている。

　エネルギー革命の総合改革モデル試行事業開始以来、同省は炭鉱のスマート化を積極的に検討し、スマート炭鉱の地方標準を他に先駆けて導入し、地域の実情に合わせた炭鉱のスマート化改造を推進している。

　省エネルギー局の�膂欷機覆箸ΑΔい欧鵝剖苗垢砲茲襪函⊂米發砲呂垢任�118カ所のスマート化炭鉱があり、炭鉱生産能力の半数以上で採掘のスマート化を実現し、石炭の先進生産能力の占める割合も8割強に上る。25年には省内のすべての大型炭鉱および災害発生リスクの高い炭鉱のスマート化も実現するとしている。

　同省は採掘作業のスマート化を進めるとともに、石炭のクリーン利用、効率的な利用にも力を入れ、石炭を「グリーンなエネルギー」にすることに力を入れている。

　新エネ車の商用車メーカー、浙江吉利遠程新能源商用車集団メタノール・水素生態の王軍（おう・ぐん）広報部ディレクターによると、現在の生産ラインではメタノールを燃料とする大型トラックを年間8千〜1万台生産できるが、第2期プロジェクトの稼働後は年間5万台に増加するという。

　新エネルギーの急速な発展に伴い、新エネルギーの消化と送電網の安全で安定した運行をめぐる課題が厳しさを増す中、新エネルギーと従来型の火力発電ユニットの良さを相互補完させることが避けられない状況となっている。同省は電力の市場化改革を急ぐことで、電力の需給バランスを保つことを促し、23年12月22日には33カ月間続いた試験的な運用を経て、電力現物市場の本格稼働を開始した。

　本格稼働からの半年余りで、同市場には156基の火力発電ユニット、613カ所の新エネルギーのパワープラント、200社以上の売電事業者と90万以上のユーザーに加え、独立したエネルギー貯蔵・発電所4カ所と仮想発電所4カ所が集まった。電力現物市場を通じ、エネルギーの需給バランスが効果的に保たれている。