[9.19 練習試合 U-19日本代表 7-2 流通経済大 稲毛海浜公園球技場]

 “ロス五輪世代”を担う存在として、結果で存在感を示した。MF佐藤龍之介(FC東京)は先制ゴールと、チーム5点目をマーク。「自分のなかで立ち上がりからいい状態で、特徴のところから決められた」と手応えを口にした。

 試合開始早々に先制点を決めた。前半2分にゴール前からワンタッチでニア上に決め切ると、4-0で迎えた前半37分にもゴール。FW安野匠が打ったシュートのこぼれ球を佐藤が冷静に詰めた。「あのこぼれは常に狙っている。うまく形に出てよかった」。試合開始からトップ下で、前半30分過ぎからはボランチの位置でプレー。前半45分のなかで誰よりも得点に絡んでみせた。

 昨年はU-17日本代表として国際舞台を戦い、U-17ワールドカップを経験した。今夏のパリオリンピックにはU-23日本代表のトレーニングパートナーとして直前まで帯同。世代別代表の常連として、さらに大きな経験を積む。U-23日本代表のパリ五輪前ラストマッチとなった練習試合・U-23フランス代表戦で、パリ五輪メンバーではない佐藤は後半43分から異例の途中出場となった。

 U-23日本代表の大岩剛監督も試合後に「日本の宝なんでね、 順調に育ってくれれば」と背中を押す起用だったことを明かした。佐藤はフランス戦後に「この経験は絶対無駄にしないでやっていきたい」と語っており、時間が経った今も改めて「自分としてはいい手応えがあった。すごい環境で出てるというのを思いながらプレーしていた。楽しかったです」と思い出していた。

 今度はメンバーとして2028年ロサンゼルスオリンピックを目指す。船越優蔵監督体制としてスタートしたU-19日本代表は、まず来週にキルギスで開幕するU20アジアカップ予選を勝ち抜き、来年2月のU20アジア杯出場へ。そして、その先にはU-20ワールドカップが控えている。

「アジア予選は勝って当然と思われがち。だけど、自分も(U17アジア杯)一次予選を経験して、相手が引いた状態で点が入らなくて焦ることも少なからずある。そういったところは自分の経験をチームに生かしたい」。そう語る佐藤は副キャプテンにも任命されており、キャプテンのDF市原吏音とともにチームを支える。「年齢かかわらず全員が意見を言い合えるようないい集団にしていきたい。全員がキャプテンのつもりで。安い言葉ではなく、そういう気持ちでやっていきたい」と意欲を燃やしていた。

 目標を達成するためにも、視線をさらに先に伸ばす。「オリンピックを目指しているレベルだと、世界でトップを取るのは難しい」。それはチームにも、個人にも言えることだ。「常にA代表に呼ばれていいような姿勢だったり、目標や志は持ちつつ、今できる環境のなかで目指していきたい」。自らの立ち位置を把握しながら、冷静に自らの道のりを見定めていた。

パリ五輪直前合宿でトレーニングパートナーを務めたMF佐藤龍之介

U-23フランス戦に出場した

(取材・文 石川祐介)