バイエルンを率いるヴァンサン・コンパニ監督が自身に対する批判的な意見に回答した。18日、英メディアの『BBC』が報じた。
コンパニ監督は現役時代にアンデルレヒトやハンブルガーSV、マンチェスター・シティで活躍し、ベルギー代表として国際Aマッチ通算89試合に出場。指導者としては、2019年夏に復帰したアンデルレヒトで選手権監督を務め、翌年から指導者に専念。その後、2022年にバーンリーの指揮官に就任すると、チャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)を29勝14分5敗・勝ち点「101」という圧倒的な強さで制し、クラブを1年でのプレミアリーグ復帰に導いた。
しかし、プレミアリーグに挑戦した2023−24シーズンは19位に終わり、1年でのチャンピオンシップ降格が決定。バーンリーの監督を退任し、今夏からバイエルンの新指揮官に就任した。
コンパニ監督が率いるバイエルンは、ブンデスリーガ開幕3試合で3連勝を飾り、現在首位に立っているが、同監督の手腕に対する懐疑的な声や批判は少なくない。
批判的な声に対する意見を問われたコンパニ監督は、チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第1節でディナモ・ザグレブ(クロアチア)と対戦し9−2と大勝したあとの会見で「監督はとてもシンプルな仕事だ。私は選手たちと仕事をするのが好きだ。 私は選手たち、そしてチーム、そして、自分自身をより良くしようとしている。これはいちいち回答する必要がないことだ」と自身への批判を気にしていないことを説明。
そのうえで、「だけど、深い回答をしたいと思う。その価値があると思うから。私はブリュッセルに生まれた。私の父はコンゴからの難民としてベルギーに来た。そんな私がプレミアリーグに足を踏み入れられる可能性はどれくらいだろうか。プレミアリーグでプレーし、そこで何かを勝ち取り、ベルギー代表としてもプレーするなど。自分のような境遇の人間が、そこまでたどりつく可能性は0.00いくつというレベルで、限りなくゼロに近いパーセントだろう。そんな私が今や監督なんだ」と自身の出自を考えると自分が今いる場所に立っていることがすでに奇跡に近いことだと言及。
そしてコンパニ監督は「聞きたいのは、『他人が言うことを理由に、自分を信じることをやめるのか?成し遂げられると信じることをやめないといけないのか?』ということだ。 僅かな可能性のなか進む。失敗を繰り返し、そして成功も繰り返し良くなっていく。これはとても重要なことなんだ。自分はインターネット上の批判の声を気にしない。けれど、これは人間がどうあるべきかという視点で興味深いテーマだ。他人が言うことを理由に、諦めやめるのか。自分は違うと思う。自分たちが生きる世界では、成功に向けて人々を励ますようにするべきだよ』」と自身の考えを説明した。
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