無念の途中交代。だが、横浜FCの小川慶治朗は納得もしている。
9月7日に行なわれたJ2第30節・愛媛戦で、小川は3−4−2−1の左シャドーで先発も、前半のみでベンチに下がった。チームは4−1で逆転勝利を収めた。
今季初弾を含む2得点をマークした20節・藤枝戦から3戦5発。以降もスタメンで出続けていた小川だが、目に見える結果を残せず。愛媛戦の45分間も思うようなプレーができなかった。
「自分の出来としても、自分のストロングを出すことよりは、少し違うことをやろうとしたけど、足にボールがついていなかったし、ミスも多くて、なかなか守備の面でも攻撃の面でも、特長を出せていなかったと思う」
32歳アタッカーの持ち味は、「ゴール前に飛び込むとか、相手の背後を取って攻撃の起点になって、そこからまたゴール前に走っていく運動量」だ。その強みをあえて抑えたが、「迷いながらやっていたというか、ちょっといつもと違う心境でプレーはしていた」。
なぜ、違うことをやろうとしたのか。
「最近は相手も引いてくるっていうのもあるし、今まで作りの部分は、逆サイドだったり、福森(晃斗)に任せて、自分はスペースを空ける動きを意識していたけど、自分でボールを触りにいって、何か違いを作りたいなって。自分のサッカーとしても今後、上に行くためには、オプションとしていろんな動きは持っていたほうがいいと思うし」
ただ、手応えは掴めなかった。「試合前に考えながら入ったのは、良くなかったかなと思う。少し迷いながらプレーしていたというか、あまり思い切ってプレーできなかった。そこは反省点で、チームに迷惑をかけたなと思います」と振り返る。
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不完全燃焼だった愛媛戦だが、ある意味、吹っ切れた部分もあるのだろう。
「自分のストロングを出すべきところで出せなかったら、自分が出ている意味がないと思う。プレーの幅を広げながらですけど、一番求められているものを出さないと試合では使ってもらえないだろうし、自分も納得するプレーができないと思う。それが再確認できた。
低い位置で受けてミドルとか打とうかなと思いますけど、それよりもやっぱり相手のラインを下げたり、そこでポイントを作って、ボールが来た時に点を取るのがストロングだと思うので。そこを出すことを考えながらプレーしたい」
30節を終え、首位に立つ横浜FC。小川が言うように、今後の対戦相手は守りを固めてくる可能性は高い。自身のストロングを出せるスペースを見つけにくくなるかもしれないが、背番号13は「そのなかでも、自分のストロングをどう出すかは試行錯誤しながらやっていかないといけない」と言葉に力をこめる。
「課題は常にありますけど、プロになってから、引いて守ってくる相手にあまり点を取っていないのもある。そこはトライしていきたい」
目に見える結果を貪欲に求めているなかで、「最大目標であるJ1昇格とJ2優勝に向かって今、身体も心も良い状態にある」という。小川は「このまま最後まで突っ走りたい」と気合を入れた。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)
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