[画像] 「5打」以上スコアを縮める秘訣!絶対気をつけるべきこととは…?

まばらな芝や強風など、春のゴルフは冬とは違う「自然との戦い」が必要です。

コースの変化に合わせて、ゴルフも衣替えをしましょう。

春ゴルフの戦い方を、理論派コーチのアッキー永井氏が伝授します!

注意ポイント1”新芽に潜むまばらな芝”がゴルフを難しくする

新芽で芝が伸びて穂も出てくる。朝露がつきやすいのも特徴だ。

枯れぎみで芝の抵抗は少ない。ボールが沈むことはなく、ほぼライは一定。

インパクトがバラつきやすい

春は芝がボールとフェースの間に挟まり、フェアウェイからフライヤーを起こすことも。

注意ポイント2”地表の空気が温まり強風を生む”

風は気圧の高いところから低いところへ動く“空気の流れ”のことである。春は日照時間が長くなり、地表の空気が温まって上昇気流が生まれやすい。上昇気流のあとには低気圧が発生し、そこに一気に強風が流れ込むのだ。

ドライバーは春こそ 「方向性重視」!ティーイングエリアを「真っすぐ」に使おう!

「曲げてもラフまでいかないマネジメントをする」

ドローなら右側に立って右サイドを真っすぐ狙う。右からなら大きくフックしても左のラフで収まる。

対角線に打っていくのは危険

たとえばドローヒッターの場合、ティーイングエリア右側からフェアウェイ右側を真っすぐ狙うほうがフェアウェイを広く使えます。もし曲がっても左側のファーストカットでボールが止まるようなマネジメントをしましょう。

「曲がったら即アウト!コースを広く使えない」

左側から右サイドへ打つ対角線での狙い方は構えにくく、左に打ち出すミスが出ると左ラフを越えてしまう。

肩から合わせれば”真っすぐ”に構えられる

感覚に頼らず「狙った方向に正しく向く」ため、私は”機械的に”アドレスに入る方法をオススメしています。ボール前後の2点の目印にシャフトをかざして肩を平行に合わせたのち、フェースと足の向きを合わせる。こうすれば、ほぼ確実にターゲットに対して真っすぐに構えることができますよ!

ティーアップの”ズレ”がミスを招く原因かも?

(×)芝が伸びてくると、ティーを深く刺してしまうのも春ゴルフの罠。

(〇)芝の先を基準にしてティーアップすると、適正な高さになる。

ティーにラインを書いておけばつねに一定にティーアップ できる!

写真のようにラインがある、または自分でラインを書いたティーを使用して、毎回同じ高さにティーアップする印に活用しよう。段つきティーを使うのも○。

芝が強くなっているため、傾斜地に落ちたボールが下まで転がり落ちにくくなるのも冬との違い。

レイアップを成功させるには明確な意図と技術が必要

軽い気持ちで打ったレイアップショットが、風にあおられてハザードに……。
という経験は誰もがあるはず。風の強い春ゴルフでは普段以上に注意が必要

パー5の2打目、グリーンを狙わないレイアップショットは比較的簡単なショットだと思われがちです。しかし、コース設計家の狙いはそう甘くはありません。

風下になりやすいサイドに池を配置したり、ツマ先下がりのフェアウェイの先、右サイドにバンカーを置いたりなど、いたるところに「罠」を仕掛けています。プレーヤーはその罠を回避する”すべ”、つまりショットの技術を身につける必要があるのです。

その技、春ゴルフ攻略のための便利なショットをふたつ紹介します。

ロフトを立てて体は左に向ける

スタンス向きが左、胸はターゲット方向へ向いている状態。
インサイド軌道が強くなり、フックが出る可能性があるため、これは×。

レイアップはローボールが有効で、その条件は「クラブのロフトを立てる」です。

ボールを通常よりも側にセットしますが、このままだとインサイド・アウトの軌道が強くなり、フックが出やすい状態。そこでスタンスを左に向けて、クラブの軌道をストレートに近づけましょう。あとはスタンスに沿って振り抜けば風の影響を受けにくいローボールを打てます。

ボールの位置は通常より右。ハンドファーストが強まり、ロフトも立つ。

ターゲットに対してフェースはスクエア。スタンスはやや左に向ける。

スタンスなりに振り抜いていく。”右プッシュ”を打つ意識でOKだ。

軸キープを意識して即席フェードを打つ

ボールは体の中心より左側にセットする。体の軸は終始キープしよう。(画像左)
フェースローテーションは少なめに。フォローも少し小さめでOKだ。(画像右)

左にハザードがあるときなどはフェードが求められる場面です。ボールを体の中心より左側にセットし、クラブが少しアウトサイドから入ってくる準備をします。

フェースは打ち出し方向へ向け、あとはフェースローテーションをしないように打つだけ。このとき、体の軸が飛球線方向に突っ込まないように意識しましょう。

フェースは打ち出し方向に向けてセット。
打ち込む意識はもたず、「サラッと」打っていこう。

【70~100ヤード】「1番手アップ、グリップ短め」で思ったところに止められる!

グリーンがやわらかくなるので、着弾してからボールが止まるまでの距離が短くなる。
冬場よりもショートしやすくなるので要注意だ。

春はグリーンがやわらかくなり、冬よりもボールが止まりやすい。そのため、スピン量の多いウエッジショットだと、思ったよりもショートしがちになります。

【対策】指2本ぶん短く持とう
短く持つことでヘッドスピードが落ち、そのぶんスピン量が抑えられる。

対策としては番手をひとつ上げ、短くグリップして打つ方法が有効的。グリップを短く持つとヘッドスピードが落ちてスピン量を減らすことができます。

ヘッドスピードが落ちると飛距離もダウンしてしまうので、番手をひとつ上げることで補完しましょう。

コンパクトなスイングで緩まずインパクト

クラブを短く持つことでスピン量を減らす。

スイング全体は緩まずコンパクトに振って、きちんとボールをミートすれば飛距離自体は落ちすぎない。

短く持つとヒール側が浮き、トゥヒットしやすくなるので注意。

前傾を少し深めにとって、ライ角どおりにソールする

【グリーン周辺】グリップは“ちょい強め”で「重くなったラフ」に負けない

春はグリーン周りのラフも厄介です。芝が強くなり水分も含んでいるので、インパクトでの抵抗が大きくなります。

重くなった芝に負けないよう、グリップは少し強めに握りましょう。クラブの先に下げた目土袋を持ち上げられる程度の力感がベストです。

強めのインパクトでしっかり振り抜いていけば、芝の抵抗に負けない。

「ポッコン」の距離感を養う

春芝からの寄せは、フェース上部に当たりスピンが少ない「ポッコン」球が有効。

練習場で、ティーアップしたボールをゴムティーごと打つ練習をしておこう。

スズメノカタビラに要注意!

芝とそっくりの見た目をした雑草「スズメノカタビラ」に要注意。根が強く、インパクト時の抵抗が非常に大きい。

このライからはハーフトップ気味に打って転がしていくのがもっともケガの少ない打ち方だ。

いかがでしたか? アッキー永井氏のレッスンをぜひ参考にしてください。

レッスン=アッキー永井

●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。“アッキー”の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。

写真=田中宏幸
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)