ラウンド中、調子がいいクラブと悪いクラブがある。番手別の調子の良し悪しは、なぜ起こるのか?
マスター今野に原因を聞くと、「7番アイアンを基本に、全番手同じスイングをしたほうがベター」という話をしてくれた。
ドライバーからパットまで全部いい日がないのはなぜ?
テル ドライバーが調子いいとアイアンが悪い。なんで両方いいってならないの?
今野(マスター) その逆の日もありますよね。さらに細分化すると、ドライバー、アイアン、アプローチ、パットの4つある。
テル そのうちのふたつでもいいと狙ったスコアが出る。
今野 でも、そろわないんですよね。
テル そうなのよ。3つも調子がよかったら、ベストスコア更新も見えてくる。全部そろったら更新さ。
今野 まず、テルさんはドライバーとアイアンを分けて考えていますか?
テル あ~それ「同じが理想か、違うか」論争ね。俺の場合、違う派だから分けている。
今野 その「違う」が原因で、調子の差が出てしまうのでは?と思いますが。
テル 全番手、同じスイングで打つって試したことあるけど、うまくいかなかった。だって、ティーアップする・しない。クラブの長さもヘッド形状も違うんだから、違っていいという結論だよ。
今野 そうなると、スイングで意識する点も異なりますね?
テル 異なるね~。ドライバーはアッパーブローで、アイアンはダウンブローで打つ。ここからすでに違うじゃない。
今野 「全部、同じスイング」というのは厳密には違っていても基本や原点であり、一貫性をもつことでシンブルにする。これすなわち、好不調の波が生まれない極意だと思うんですよ。
テル う~ん。マスター自身はどうなのよ?本当に全番手、同じスイングで打ってる?
今野 私はドライバーが得意なので、パットのストロークまでドライバーの感覚と振り方と同じ。クラブの長さとヘッド形状が変わっても「これは飛ばせないドライバーだ」と思って打っています。
テル パターまで!?
今野 はい。調子が悪いときはドライバーを練習する。ドライバーがよくなればほかもよくなる基本のクラブです。
テル それはマネできないな!俺、ドライバーが得意じゃないもん。
今野 私の「ドライバーが基本」というのは特殊です。基本、原点に返るとなればアイアンをベースにするのがいいと思います。ビギナーのころ「練習は7番アイアンから。コースでもとりあえず7番アイアンを持って走れ」を思い出して。
テル ビギナーのころは練習では7番で基本を作ってから、それより長いも短い番手も打てるようにしていたわ。コースでもセカンドショットは7番、林やフェアウェイに入っても距離に関係なく7番って時代があったね。
今野 7番アイアンって万能なんですよ。扱いやすく、上げるも転がすもしやすい、さまざまな要素が集約されたクラブだと思います。
テル マスターは「全番手、ドライバーのように」だけど、俺は全番手「7番アイアンのように」は、早速やってみたいね。ちなみに、短い距離のアプローチはどうすんの?
今野 7番アイアンのスイングを抑えて打つ。それをウエッジにしたら、数ヤードの飛距離になりますよね。
テル たしかに。プロが「番手によってスイングは変えない。全部一緒」という意味もわかっ
た気がする。
今野 ただ、プロって無意識で自然にやっていることが多いので、いっていることとやっていることが全然違ったりしますが、それがプロゴルファーっていうものですよ(笑)
松山英樹の名言
「ロングアイアン練習してたらアプローチもうまくなるでしょ」
いかがでしたか?
マスター今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ・RainbowFM(88.5MHz)の「サタマ二♪」(第2土曜15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
写真=鹿野貴司
イラスト=野村タケオ
協力=LaFace