副業・起業のため「不動産投資」を始める会社員が増えている。高卒・中小零細企業勤務の低属性サラリーマンから総投資額12億円、純資産3.5億円を築いた“サバイバル投資家”生稲崇氏に聞く、新築不動産投資の秘訣とは?
◆1棟で1億円超の売却益も。新築不動産投資の極意とは

 銀の利上げによる住宅ローン金利の上昇が予想される中、「不動産価格が天井をつけた」として、これまで市場に出回らなかった魅力的な不動産を購入するチャンスが到来した。

 そんな中、「今なら新築のRC造5階マンション1棟で1億円の売却益を狙える」と語るのが、新築不動産投資のスペシャリストであり、『新築不動産投資サバイバル大全』を上梓したばかりの生稲崇氏だ。

’14年から不動産投資をスタートした生稲氏は高卒で年収400万円台、中小零細企業勤務という、自称「低スペック」ながら持ち前の行動力で、10年で純資産3.5億円・総投資額12億円にまで拡大させた。なぜここまでの資産を築けたのか。本人が語る。

「最近では、本業を持ちながら不動産投資を始める人も増えていますが、それは不動産投資が物件の選定から資金調達、物件の企画、運営まで、あらゆる領域に影響を及ぼせる“事業”だからです。

 私もバイク事故の保険金の元手250万円から不動産投資を始めましたが、リスクもリターンもすべては自分次第。再現性のあるメソッドを実践できれば、リスクを最小化し、リターンを最大化できるからです」

◆新築不動産投資は最短で億万長者の夢を実現する王道投資

 かつては価格が安いからと中古物件に投資をしていた生稲氏だが、アベノミクスで物件価格が上昇していった’15年頃から新築不動産にシフト。

「中古物件の価格が高くなりすぎたことで『今は新築のほうが融資を受けやすい』という話を聞き、4棟目から新築投資にシフトしました。

 都銀からの融資で’17年に4300万円の木造2階建てのアパートと、8700万円の木造3階建てアパートを、翌年には1億円の4階建てマンションを建てました。いずれもほぼ銀行の融資のみです。これらの3棟は賃貸期間を経て、すべて3〜7年以内に売却し、合計で8000万円近い利益を得ています。

 その集大成が’20年に融資を受けて2億円弱で購入し、’23年に1億円超の売却益を得た冒頭の新築マンションです。つまり新築不動産投資は、賃貸時は中古より低い利回りでも、売却益のインパクトが大きいため、最短で億万長者の夢を実現する王道投資だと気づいたのです」

◆貸しやすく売りやすい。新築不動産5つの利点

 中古物件に比べ、新築不動産は「インカムゲイン=毎月収益」と「キャピタルゲイン=売却益」の二刀流の収入があるのだ。さらに生稲氏は次のように語る。

「新築投資のメリットは主に5つあります。まず、日本では欧米と違って新築の部屋に住みたいという文化的な需要が高いため、賃貸ニーズが高く、高い家賃でも入居率が上がりやすい。次に、中古物件に比べて経年劣化がなく、金融機関からの担保評価が高いので融資が受けやすい。

 もちろん、初心者がいきなり銀行から数千万円の融資を得るのはハードルが高いため、資金が少ない人は金額が小さい中古物件か、郊外でも賃貸需要がある土地が安い新築投資から経験や実績を積んで始める必要があります。

 しかし、ある程度の経験さえ積めば、新築投資は銀行にとっても建物の評価がしやすいので、しっかりとプランを立てれば高額でも融資審査に通りやすい」

 そして法定耐用年数が長く、“減価償却”できる節税効果の年数も長いという点も魅力だ。

「さらに『住宅瑕疵担保履行法』という法律もオーナーのメリットです。簡単にいえば建物に法的な保証があり、住宅の主要構造部分に欠陥があれば、10年間は建築会社に修繕してもらえるのです。さらに、購入して5〜10年経過しても、まだまだ築浅物件ですので、建物の状態が良く、売却しやすいのもメリット」