かつて「松本亜璃沙」の名前でセクシー女優として活躍。幼い顔立ちながら熟女系の作品に多数出演し、“童顔系熟女”のパイオニアとして人気を博していた。
 そんな香音凛(かおりん)さんは現在、52歳。波乱万丈の人生、「バツ3で子どもを5人産んでいる」というが、仕事からプライベートまで“今だから話せること”を聞いた。

銀行員の夫にギャンブル癖が発覚、離婚

 香音凛さんはもともと銀行員で、最初の結婚は社内恋愛だったと話す。

「アダルト業界とは対極のお堅い場所にいたので、当時はセクシー女優やそれを見ている人たちも気持ちが悪いって思っていました」

 性別に関係なく出世できる今とは異なり、「25歳でお局と呼ばれる時代だった」と笑う。

「就職の面接で聞かれたのは“得意料理”。銀行員はほとんどが社内恋愛・結婚だったので、女性は花嫁候補みたいに見られていたんですね。みんな、すぐに結婚して辞めていく。ただ、私も若いママになりたかったので」

 香音凛さんも同僚と結婚し、子宝にも恵まれたが、ワンオペ育児に加え、相手のギャンブル癖が発覚。離婚に至った。

借金のみならず「子どもの学資保険にも手をつけていた」

 その後、通っていた美容院で、たまたま休みだった担当美容師の代わりについた男性が2番目の夫となる。

「すぐに告白されて、私はシンママだよって伝えたけど、『結婚しよう』とプロポーズされました」

 そこから1年半、同棲も経て結婚したが、子どもの出産直後に衝撃の事実が明らかになる。

「旦那に届いていた銀行からの手紙を見たら、残高がおかしな感じで。それで銀行に確認したら、借金があったんです……」

 なんと2番目の夫も香音凛さんに内緒でパチンコに通い、借金までつくっていたのだ。

ストレスで母乳が止まりました(苦笑)。私は借金が大嫌いなんで、離婚したいって言ったんですが、旦那の親が『今回は……』って肩代わりしてくれたんです」

 香音凛さんも献身的にサポートしたことで夫は出世。3人目を妊娠し、マンションを購入した。順風満帆に思えたところで、また借金が発覚したという。

「2回目は借金だけではなく、子どもの学資保険にも手をつけていたんです……」

 今度こそ離婚を決断するかと思いきや、香音凛さんは「自分がなんとかしなければ!」と考えた。

「この頃、銀行にパートとして復帰していたけれど、旦那の扶養内で月7万円くらいしか稼いでいなかったからぜんぜん意味がなくて。このままでは一生借金が返せないなって」

◆「時給は高いほうがいい」セクシー女優としてデビュー

 かおりんさんは、とにかく高収入の仕事を探した。

「今みたいにネットが普及していないから、コンビニで求人誌を買って、高収入の仕事を探しました。キャバクラは働くのが夜だから無理。昼の仕事で稼げるものとして、最初に始めたのはランジェリーモデルです」

 ギャランティは3時間で5万円だった。

「正直、破格に思えましたね。そこでカメラマンさんに表情づくりがうまいねって褒められたんです。セクシー女優になった方が稼げるんじゃないかって」

 当初はセクシー女優を軽蔑していたと語っていた香音凛さんだが……。

「人生が80年とか90年あるなかで、時給数百円稼ぐのと時給数万円、数十万円稼ぐのだったらどっちがいいのかなって考えたときに、稼いだほうがいいって思ったんです」

 夫には「ノンアダルトのチャットレディとして働く」と嘘をついてデビューした。しかし電車の中吊り広告がきっかけでバレてしまったという。

 業界では“パブ”と呼ばれているが、身バレ防止のためにメディアでどこまで露出するか細かく設定できるようになっている。