18〜20歳くらいで欧州へ飛び出すのがより当たり前になっているこの世代の選手たちが、「五輪」という舞台に集まるのはさらに難しくなる。欧州開催ですらない次回大会への展望は、そうした意味で言えば明るくないとも言える。「メダルを獲る」ということを最大目標に据えるのであれば、やはり最高戦力を揃えられるかどうかが焦点になるからだ。
ただ、大岩監督はその際に「必ず選手ファーストでなければいけない」と言い切った。欧州の移籍期間に開催される五輪での最強メンバー招集にこだわれば、どうしてもそこが損なわれるリスクが出てくる。「年代別代表は選手を成長させる場じゃないといけない」と語っていた大岩監督にとって、それは本意ではなかった。今回も移籍の可能性があった選手を「五輪に出てくれ」と説得して翻意を促すようなことはしなかった。最後までこだわっていたのは「選手の成長、それが第一」ということだ。
最後に気になる「大岩監督の今後」については、こう語っている。
「監督として指導者として、あまりできないような経験をさせてもらいました。世界中のいろいろな監督と話す機会もあって、自分の視野も広がった。その経験を当然『次』に生かさなければいけない」
監督業へのチャレンジについて「オファーがあればね」としつつ、意欲満面。さまざまな経験や勉強も経て「鹿島で監督をやっていたときの自分とはかなり違ってきている」と語っていた大岩監督。選手たちの今後の飛躍に期待するのはもちろん、指揮官のさらなる活躍にも期待しておきたい。
取材・文=川端暁彦
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