CBS MarketWatchによると、米グラフィックス半導体大手エヌビディアは6日、携帯デジタル音楽プレーヤーなどの携帯機器向け半導体を強化するため、同業のポータルプレーヤーを3億5700万ドル(約420億円)で買収する意向を明らかにした。独禁法当局と株主の承認を経て、正式決定する。ポータルの1株あたりの買収額は13.50ドルで、3日までの20営業日の平均株価(終値)よりも19%上回るプレミアムが付けられている。米ナスダック市場では6日、ポータルは前週末比0.07%安の13.35ドルで取引を終了した。エヌビディアは同0.99%上昇し、33.59ドルで引けた。

  エヌビディアのジェン・スン・ホワンCEO(最高経営責任者)は、マルチメディア用プロセッサと映像用半導体を組み合わせ、次世代の携帯電話や携帯型ゲーム、PDAなどの技術開発と販売を目指すと述べている。

  ポータルは、MP3プレーヤー向け半導体メーカーとして、アップル・コンピュータの携帯デジタル音楽プレーヤー「iPod」用半導体を提供しているが、iPodの「nano」シリーズでは、プロセッサの供給契約を韓国のサムスン電子に奪われており、主要な収入源を失ったことから、ポータルの第3四半期(7−9月)の業績は、最終利益が前年同月比85%減の150万ドル(約1億7700万円)、売上高が同40%減の3480万ドル(約41億1000万円)となっていた。【了】