[画像] 人気のふるさと納税「おいしく」から「賢く」へ 注目は「電気の返礼品」

 寄付することでその地域の特産品などがもらえる、ふるさと納税。今年は「賢く寄付」がトレンドになっているそうです。注目は、電気料金を抑える返礼品です。

【画像】ふるさと納税で物価高に対抗 オレンジジュースへの寄付1.6倍

■止まらない物価高 ふるさと納税に異変岸田文雄総理大臣
「物価水準が高止まるなか…」
「物価高のなかで…」
「物価高に直撃をされている」

 21日の会見で、岸田総理が何度も何度も口にした止まらない物価の高騰。

50代
「(Q.物価高感じる?)そうですね、感じます。一番感じるのは食料品です」20代
「私はスーパーで買い物する時に、食材とかが高いなと」

 帝国データバンクの調査では、今年に入り、値上げもしくは値上げを予定するのは6433品目。そのうち9割近くが「原材料の高騰」が理由だといいます。そんななか、注目されているのが、ふるさと納税です。

 これまでは、国産和牛や産地直送の魚介類など返礼品でちょっとした“ぜいたく”を楽しむ人も多くいましたが、ここ最近は“おいしく”から“賢く”にシフトしているといいます。

さとふる 広報 坂平由貴さん
「ぜいたく品のお礼品から日常消費型のお礼品へ、注目が高まっている」

 例えば、世界的な不作に悩まされているオレンジ。「ポンジュース」が4月のリニューアルで値上げに踏み切ったことなどから、ふるさと納税サイト「さとふる」では、オレンジジュースへの寄付件数が前年の1.6倍に増加しました。

 また、5月に国内メーカーが6割以上もの値上げを決めたオリーブオイルを返礼品として求める人も増えています。

坂平さん
「オリーブオイルの1月から4月の寄付件数が、前年同期比で1.8倍以上に増加」■うれしい悲鳴 オリーブオイル“注文3倍”

 香川県小豆島の返礼品であるオリーブオイルを製造する企業は、去年より注文が3倍に激増し、うれしい悲鳴を上げていました。

西村ファーム 平木誠さん
「今年は(注文が)本当に多くて、間に合わないことが多く、寄付者さんには申し訳ないんですが、ちょっと出荷の日程がずれるような状態になっております」

 エキストラバージンオリーブオイルを提供している西村ファームは、あまりの依頼の多さに出荷作業が追い付かない状況です。

平木さん
「去年だと一人で回せるぐらいだったが、もう全然回らなくて、何人もパートさんとかも(呼んで)。手伝ってもらわないと間に合わないし、土曜日とかも出て残業もして、という形になっています」

 山積みになった出荷用の段ボールと大量の出荷伝票。今まで経験したことのない忙しさです。

■太陽光や水力の電気 自宅で“受け取り”

 物価高騰を賢く乗り切ろうと活用するふるさと納税ですが、今後の注目として、さとふるの担当者が挙げたのは食品や日用品ではない“意外な返礼品”でした。

坂平さん
「電気料金に関するお礼品も新しく出てきていて、そういった(電気料金に関する)お礼品を使って、少しでも電気料金の費用を抑えようとする方も増えるのではないかと考えています」

 なんと、「電気」の返礼品です。政府が“物価高騰対策”として行ってきた電気料金の補助が先月の使用分で終了。新たに8月、9月、10月の補助が検討されていますが、それも一時的なものです。

 だからこそうれしい返礼品ですが、それにしても、目に見えない「電気」の返礼品とはどういうことなのでしょうか?

50代
「(Q.『電気の返礼品』を知っている?)どれくらい返礼されるのかしら」20代
「(電気代は)ずっと定額でかかってきているものなので、減らせるんだったら、ふるさと納税できるなら減らしたい」

ほとんどの人が知らなかった“お礼の電気”。寄付額や自治体によって提供方法は異なりますが、太陽光や水力などで発電された再生可能エネルギーを自宅で受け取ることができます。

20代
「3000円×3カ月分とかめっちゃ良くない?電気代が浮くと考えれば、全然いいかも。要検討かなって思います」坂平さん
「寄付者様の需要に合わせて、そういった(電気料金に関する)お礼品を出す自治体もだんだん増えていくかもしれないと思っています」

(「グッド!モーニング」2024年6月24日放送分より)