徳島ヴォルティスは5日、暫定的に監督として指揮を執っていた増田功作監督が、正式にトップチーム監督に就任することを発表した。

 今季の徳島は2021シーズン以来となるJ1リーグ復帰を目指してシーズンをスタートさせたが、2024明治安田J2リーグ開幕戦から3連敗を喫するなど未勝利が続いた。第4節水戸ホーリーホック戦を2−1で制したことで今季初勝利を掴んだものの、その後2試合を1分1敗で終えると、3月30日に行われた第7節でザスパ群馬に今季初白星を献上。入れ替わる形で最下位へと転落していた。同試合から1日後の31日、クラブは吉田達磨監督の解任、および岡田明彦強化本部長の辞任を発表していた。

 暫定指揮官として吉田前監督からバトンを受け継いだ増田監督は、初陣となった4月3日開催の第8節清水エスパルス戦を1−1のドローで終えると、その後は2連敗を喫したものの、第11節藤枝MYFC戦を1−0で制したのを皮切りに2連勝を記録。今月3日には、第13節で愛媛FCとの“四国ダービー”をスコアレスドローで終え、J3自動降格圏からの脱出に成功していた。現在は3勝3分7敗の勝ち点「12」で17位につけている。

 正式に指揮官に就任することが決まった増田監督は、徳島を通してコメントを発表。決断した背景の一部を次のような言葉で明かすとともに、今後のシーズンを見据えた意気込みも記した。

「このたびクラブから正式な監督への就任というお話をいただき、徳島ヴォルティスの監督として戦うことを決意しました。自分の中で様々なことを考えましたが、一緒に戦ってきた選手やスタッフと共に、一戦一戦勝利を目指してベストを尽くしていきたいと思います」

「チームとして大事にしたいのは全員がハードワークして攻守にコレクティブなプレーをすることであり、アグレッシブな姿勢で攻撃的に90分間戦いが終わるまで走り切るフットボールを目指します。ファン・サポーターの皆様をはじめ、クラブを支えていただいている皆様、ご支援、ご声援よろしくお願いいたします」

 また、前記の岡田明彦強化本部長の辞任に伴い、新たに強化本部長に就任していた黒部光昭氏も徳島を通してコメントを発表。現在のチーム状況を踏まえ、正式監督就任を打診した背景に触れるとともに、今後目指していく姿にも言及した。

「増田功作監督に暫定的に指揮を執っていただいた、これまでの6試合における成績や試合内容を含めてチームとして改善してきていると捉えており、今後もチームの指揮をお願いすることが最適であると判断して正式に監督就任を打診し、受諾いただきました」

「今回の決定にあたっては、特に試合内容においてシーズン序盤には見られなかった攻守にハードワークすることや切り替えの早さ、そしてピッチ上での戦う姿勢が明らかに変わって来ている点が判断の要素としてあり、これからシーズンを通してより高めていくことが出来ると判断しております。一方では、現状の順位からすれば、直近の試合で勝点が取れているとはいえ、前節まで降格圏内であったという苦しい状況に変わりはなく、1試合1試合で勝点を積み上げていくことが一番大事なことだと捉えています。そのためにも、まずは毎試合勝点を取れるようなチームとしてのベースを作ることが重要であり、改善されてきているハードワークすることや切り替えなどプレーの強度の部分に加えて、選手1人ひとりが全力で試合に臨み、戦うために必要な要素やマインドをもう一度全体で築いていくことが必要だと考えております」

「増田監督が指揮を執った試合でこれらの点が改善されて来ていると判断をしましたので、正式に今シーズンの監督としてチームを託して、より前を向いて1つずつ上の順位を目指します。そのために強化本部としては、増田監督をはじめとするチームをサポートすべく、チームとしての地盤をしっかり構築し、1つでも多くの勝点を積み上げていけるように最大限尽力して参ります」