米スポーツ専門局「ESPN」は4月30日(日本時間5月1日)、ドジャースの大谷翔平投手(29)の元通訳で銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者(39)ついて、大谷から盗んだ金をラスベガスのカジノ経由で賭け屋に流出させていたと報じた。韓国での開幕シリーズ中に水原氏の違法賭博問題を第一報で報じたティシャ・トンプソン記者が報じた。

 同記者は「水原一平が大谷翔平の銀行口座から違法なブックメーカーに送った一連の50万ドル(約7850万円)の支払いは、カリフォルニアとラスベガスのカジノに転送され、そこで金はギャンブル口座に入金され、プレーイング・チップに変換され、後に賭け屋に支払うために現金化されたと、複数の情報筋がESPNに語った」と報じた。

 また「水原の賭けを引き受けたカリフォルニアのブックメーカー、マシュー・ボウヤー氏は、ラスベガスのカジノ、リゾート・ワールドの常連客だった。情報筋はESPNに、水原は自分の負け分をボウヤー氏の仲間に支払い、ボウヤー氏はその金を南カリフォルニアのリゾート・ワールドとペチャンガ・リゾート・カジノにある自分のマーカー口座に転送したと語った。そして、彼らはマーカー口座からチップを引き出し、それでギャンブルをし、勝てば現金化した。複数の情報筋によると、49歳のボウヤー氏は2022年6月から2023年10月にかけて、リゾート・ワールドで790万ドル(約12億4030万円)を失った。10月5日にボーウィーの自宅が連邦捜査官に家宅捜索された後、情報筋によると、彼は既知のブックメーカーと呼ばれ、全米のカジノへの入場が禁止された」とも報じた。

 ESPNによると、現在までに公表されている起訴状にはボウヤー氏もその同僚も名前が挙がっておらず、ボウヤー氏とその仲間の弁護士はコメントを拒否しているという。

  水原容疑者は違法賭博の借金を返済するため、大谷選手の口座から胴元側に1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正に送金したとされ、米司法省から11日(日本時間12日)に銀行詐欺容疑で訴追された。12日(同13日)、米ロサンゼルス市内にある連邦地裁に出廷した。地裁は保釈保証金を2万5000ドル(382万5000円)に設定。保釈の条件として、パスポートの返納、カリフォルニア州中央地区を離れることはできず、被害者との連絡、面会なども禁止。一切の賭博も禁止され、ギャンブル依存症の更生プログラムを受ける。条件違反の際に保釈保証金を納付する義務が生じる。

 司法省によると、水原容疑者が送金したのは21年11月から24年1月までで、水原容疑者が関係する機器やIPアドレスが使われていた。当局が入手した水原容疑者の賭博記録には、この期間中の合計賞金は総額1億4225万6769ドル(約223億円)、負けた金額は1億8293万5206ドル(約287億)で、損失額は4067万8436ドル(約63.8億円)にのぼる。