【AFP=時事】フィリピン教育省は5日、国内の一部地域で危険な暑さに達したため、1万校以上の学校が遠隔授業に踏み切ったと明らかにした。

 フィリピンは通常、3〜5月に最も暑く、乾燥する時期になるが、今年はエルニーニョ(El Nino)現象でさらに気温が上昇。多くの学校にはエアコンがなく、子どもたちは換気の悪い密集した教室で汗だくになっている。

 全国4万7000以上の学校を統括する教育省は、「猛暑を含む災害時には」遠隔授業に切り替える権限を学校長に与えている。

 5日の公式発表によると、前日の4769校に続き、5288校が遠隔授業を行い、360万人以上の児童・生徒に影響が出た。一部の学校は、最も暑い時間帯を避けて短縮授業を行った。

 予報によると、5日は複数地域で湿度も考慮した体感温度を示す暑さ指数が42〜43度の「危険」レベルに達した。マニラの暑さ指数は40度で、熱けいれんや倦怠(けんたい)感の恐れもある「厳重注意」レベルとされた。マニラの実際の最高気温は35.5度だった。

 気象予報士のロリー・デラ・クルス(Lorie Dela Cruz)氏はAFPに対し、実際の気温はこの時期としては「平年並み」だと指摘。例年5月前半が最も暑い時期だと説明し、「まだ初夏なので、これからさらに暑くなるだろう」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News

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