【AFP=時事】ポーランドのドナルド・トゥスク(Donald Tusk)首相は29日、欧州は第2次世界大戦(World War II)後初めて、「戦争前夜」を迎えていると述べ、欧州での紛争が現実的な脅威になっていると警鐘を鳴らした。

 欧州理事会(EUropean Council)の前常任議長(EU大統領)でもあるトゥスク氏は、欧州のメディアグループLENAのインタビューで、「戦争はもはや過去の概念ではない。現実であり、2年前に始まった。現時点で最も懸念されるのは、文字通りあらゆるシナリオが考えられることだ。このような状況は、1945年以来だ」と述べた。

「特に若い世代には衝撃的に聞こえるかもしれないが、戦争前夜という新しい時代が始まったという現実に慣れなければならない。誇張ではなく、日に日に明白になっている」とし、隣国ウクライナロシアに負ければ、欧州で安穏とした気持ちで過ごせる人は一人もいなくなると訴えた。

 2年余り前にロシアがウクライナに侵攻したことで、戦後平和は揺るぎないという欧州指導者の認識は根底から覆され、多くの国がウクライナへの軍事支援と自国の軍備増強のため兵器の生産を強化した。

 ポーランドは隣国ウクライナに対する最も熱心な支援国の一つ。

【翻訳編集】AFPBB News

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