この記事をまとめると

■昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたクルマを現役女子大生がジャッジ

■軽自動車や国産ミニバンは根強い人気があった一方で、プリウスはあまり評価されなかった

■可愛いクルマも「男性目線で作られているような感じ」と一蹴する辛辣な意見も

話題のクルマ、現役女子大生はどう選ぶ?

 2023-2024の日本カー・オブ・ザ・イヤーにはトヨタ・プリウスが選出された。この選考は評論家、ジャーナリスト、有識者ら、クルマに詳しい専門家が行ったものだ。しかし、一般の人々、とくに女子大生にとって、この選考はどれだけの意味があるのだろうか? 今回、都内の女子大に通う女子大生数十人から意見を聞いてみた。対象の車種は、“10ベストカー”に選出された次の車種だ。

・SUBARUクロストレック
・トヨタ・アルファード/ヴェルファイア
・トヨタ・プリウス
・日産セレナ
・ホンダZR-V
・三菱デリカミニ
・アバルト500e
・BMW X1
・マセラティ・グレカーレ
・フォルクスワーゲンID.4

 今回、尋ねたのは「自分が乗りたいクルマ」と「彼氏に乗ってほしいクルマ」の2タイプ。ちなみに都内ということもあって、彼女たちのほとんどが自分では免許を持っておらず、所有率はほぼ10%以下だった。

 とはいえ、そんな彼女たちが自分で運転できると仮定した「自分が乗りたいクルマ」の筆頭はデリカミニ。理由としては、「小さくて運転しやすそう」、「コンパクトな割にモノがいっぱい詰めそう」、「かわいい」といったもの。たぶんにテレビCMの影響もあって親しみを感じるようだ。

 そのほか、自分で運転したいクルマとして挙げられたのがアルファード。これは「かっこいい」、「内装が豪華なイメージ」、「大人数でドライブに行ける」、「背が高くて運転しやすそう」といったもので、やはり運転しやすいイメージがポイント高く、そのほかにはクロストレック、ZR-VなどSUVも評価が高かった。

無難なのはやはり売れてるクルマ!

 反面、自分が乗りたくないクルマとして彼女たちが挙げたのがプリウス。「煽られそう」という意味不明な意見から、「自動車教習所で乗っていたクルマだから」教習所で叱られたトラウマを引きずっている学生もいた。また、女性に好かれそうなデザインのアバルト500eについては「角がなくて丸っこいデザインがいい」と評価する学生がいた一方、「おもちゃっぽいから嫌」、「デザインが狙いすぎていて乗ってて恥ずかしい感じがする」という声もあり、乙女心の難しさを感じる意見もあった。

 では「彼氏に乗ってほしいクルマ」はどうだろうか。多くの声が聞かれたのが、マセラティ・グレカーレ。「かっこいい」、「高級そう。あまり街で見ないからいい」、「自分が乗るには大きすぎるけど彼に乗っていてほしい」と評価する学生が多かった。しかし、「駐車場に停めているとイタズラされそう」、「左ハンドルだとパーキングに入るときにチケットを取るのが面倒そう」という高級外車特有の事情を心配する声もあった。そのほかにも、BMW X1という声も聞かれた。理由はマセラティと同様。彼女たちにとって“かっこいい”は正義なのである。

 そして、「無難」という“高評価”を得たのがセレナだった。デザインに親しみがあって、荷物もいっぱい載せられる。なによりも有名だということが安心を呼び起こすらしい。輸入車というステイタスと安心感を持つという意味では、フォルクスワーゲンID.4も評価が高かった。

 総括として、全体的には普通の女子大生はとくにクルマに思い入れはなく、あまり興味がないというのも真実。

 耳が痛かったのは「クルマってすべて男性目線で作られているような感じ。この丸いクルマ(アバルト500e)も女性が気に入るだろうと男性が作ったよう」という辛辣な意見だった。この意見に、正直な話、男性として唸るしかなかった……。