■KID PHENOMENON/WOLF HOWL HARMONY/THE JET BOY BANGERZ
2022年に始動したLDH史上最大のオーディション『iCON Z 2022 ~Dreams For Children~』からも、2023年は多くのNEO EXILEグループが誕生し、アーティストデビューの夢を叶えた。登場するやいなや、リーダーの夫松健介から順に自己紹介し、「めちゃめちゃ緊張するわ……(笑)」と口にしながらステージに歩み出したのは、『iCON Z』第二章で誕生した後、今年8月にメジャーデビューした7人組ダンス&ボーカルグループ KID PHENOMENON。彼らは今年出演し、話題を呼んだ『THE FIRST TAKE』を想起させるスタンドマイクを使った演出で、11月にリリースした最新曲「存在証明」(TVアニメ『るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚―』第二クールエンディングテーマ)を歌い始めた。遠藤翼空と山本光汰の艶のあるツインボーカルを軸に魅せた1番に続き、途中からはハンドマイクに持ち替えて、パンチの効いたラップやダンスで観客の心に自分たちの存在を刻む。デビュー曲「Wheelie」は、“Boom Boom”とバイクをブンブン鳴らすキャッチーなダンスで会場をひとつに。愛嬌たっぷりの笑顔でじゃれ合う姿も、平均年齢17歳でデビューしたキドフェノならではの魅力で、Jr.EXILEの先輩たちともひと味違うNEO EXILE像を示した。

だが次の瞬間、熱気溢れるステージに涼やかな風が舞い込む。同じオーディションから誕生した4人組 WOLF HOWL HARMONYの登場だ。最年少のHIROTOが、静寂を切り開くようにデビュー曲「Sweet Rain」をアカペラで歌い始めると、GHEE、SUZUKI、RYOJIもそれぞれアカペラで頭サビを歌い繋ぎ、年上グループならではの人生経験が垣間見える歌声で観客を楽曲の世界に惹き込んでいく。MCでマイクを握る4人の素顔は、なんだかほっとけないかわいらしさがあるのだが、だからこそ歌唱時とのギャップにハマるファンが多いのだろう(2日目の12月31日には、バースデーボーイのGHEEを祝う声も多数上がっていた)。2曲目には2024年2月14日リリースのニューシングルより、ますます進化したダンスが映える表題曲「Frozen Butterfly」をサプライズ初披露。スリリングな曲調であらたな一面を見せると、2024年への期待を煽って4人はステージをあとにした。

そして3組目のTHE JET BOY BANGERZは、ボーカルの宇原雄飛が「TJBBのショーケース、Are you ready!?」と煽り、名刺代わりのデビュー曲「Jettinʼ」を披露。宇原、エイロン、石川晃多というバリエーション豊かなスリーボーカルもさることながら、アウトロではパフォーマー全員がDリーガーとしても活躍しているTJBBならではの、アクロバットを交えたテクニカルなダンスパートで圧倒する。2024年1月31日にリリースを控える最新EP『PHOTOGENIC』のリード曲も、シャッターを切るようなキャッチーな手振りで観客を巻き込み、リリース前と思えないほどの熱狂を生み出した。

■LIL LEAGUE
ちなみに、2日目はJr.EXILEによる前哨戦に続く形で、NEO EXILEの4組が登場。そのトップバッターを『iCON Z』第一章でグランプリを獲得した6人組グループ LIL LEAGUEが務めた。前日の12月30日に『第65回 輝く! 日本レコード大賞』(TBS系)で新人賞を受賞した彼らにとっては、凱旋ライブのようなステージである。余裕たっぷりの仕草でカメラにフレームインした岡尾真虎を筆頭に、メンバーたちは大人びた表情を浮かべながらステージに歩み出すと、炎を背負いながら『LIL LEAGUE LIVE TOUR 2023 “LIL GATEWAY”』のタイトル曲「GATEWAY」で、あらたなLIL LEAGUEを見せた。曲中に百田隼麻が「行くぞ、『EXPO』~!」とシャウトすると、ひときわ大きな歓声が上がる。リーダーの岩城星那が「僕たちの始まりの曲です。知ってる方は一緒に歌って踊って、一緒に楽しんでいきましょう!」と呼びかけた「Rollah Coaster」では、10代らしい無邪気な“LIL SMILE”も見せつつ、まっすぐに夢を見据える6人の瞳はいつになく真剣だった。