ちょっと大きい? トヨタ新型「グローバル ハイエース」に様々な反響

 2023年10月25日、トヨタの子会社でハイエースやランドクルーザーなどの生産・開発などを行うトヨタ車体は、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(以下JMS2023)」にて、新時代の新型商用バン「GLOBAL HIACE BEV CONCEPT (以下新型グローバル ハイエース)」を世界初公開しました。
 
 日本では販売されない“300系”のハイエースをベースとした同車に、様々なコメントが集まっています。

これが”未来系ハイエース”!? トヨタ新型「GLOBAL HIACE BEV CONCEPT」

 ハイエースといえば、商用車として長く愛されてきた1BOX型バン。一方近年では、アウトドアレジャーや車中泊などを楽しむ一般の個人ユーザーからも絶大な支持を集めています。

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 現在日本で販売されているのは、2004年デビューの5代目ハイエース(200系)ですが、国外ではすでにこの後継モデルである6代目の“300系”ハイエースが販売されています。

日本では、この300系ハイエースをベースとした大型ワゴン「グランエース」が販売されるものの、300系ハイエース自体は主な用途に対し大きすぎるためか販売されておらず、200系ハイエースの販売が20年近く続いています。

 今回トヨタ車体が、JMS2023にて世界初公開したのは、そんなハイエースの名前を関する新型グローバル ハイエース。

 同車についてトヨタ車体は「先進的なデザインと大空間、使いやすさを兼ね備えた次世代BEV(バッテリーEV)バン」と定義しています。

 新型グローバル ハイエースは300系ハイエースベースにBEV化したモデルで、用途に合わせバッテリーを2層もしくは1層から選択可能。積載は多少少なくても航続距離を伸ばしたい場合は2層、航続距離は多少短くても積載性を高めたい場合は1層といったようにフレキシブルな選択が可能です。

ボディサイズは全長5280mm×全幅1950mm×全高1990mmと、ほぼ300系ハイエースと同等。ホイールベース3210mmです。

 室内の寸法は、長さ3490mm×幅1715mm×高さ1270mmと広大で、乗車定員は1名。助手席エリアまでカーゴスペースとすることで、約3.5m の長尺物を積載可能としています。

 エクステリアは、300系をほぼ踏襲していますが、フロントはグリルレスとなっており、BEVらしい顔つきとしているほか、最新のトヨタ車のデザインである“ハンマーヘッド”のようなシャープなヘッドライト周りが特徴的で、まさに未来の“次期型ハイエース”といった装いです。

 さらに、ボディ下部が黒く塗装されているほか、ホイールもブラック塗装が施されており、SUVのようなタフ感も演出されています。

 インテリアの基本的なレイアウトは、ほとんど300系と同様ですが、メーターパネルがデジタル表示となっているほか、シフトレバーが廃され、トヨタのEV車に用いられるダイヤル式のシフトセレクターに置き換わっています。

 また、多様化するドライバーに配慮され、静粛性や乗降性が高められているほか、全長5mを超える巨体ながら、最小回転半径 5.5mに抑えられていることも特筆すべき点です。

 このほか、使いやすさも追求されており、フラットフロアで、ウォークスルーが可能な作りとなっており、荷物を楽に移動できる専用カートも付随。コネクティッドを活用した配達効率の向上(配送ルートの最適化、次に配達する荷物の積載位置表示)も想定しています。

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 そのカラーリングから2017年に開催された第45回東京モーターショー2017に、トヨタ車体が参考出品した「LCV CONCEPT」が想起されますが、実際同モデルの新たな“進化系”として提案されるのが新型グローバル ハイエースです。このクルマについてSNSなどでは様々な反響が集まっています。

「カッコイイ」「素晴らしい設計」など称賛の声がある一方で、「5m超えだと現場に行けない…」「ちょっと大きすぎる…」というサイズに対する懸念も目立ちます。

 また、「200系がやっぱり日本にはあってるかも」「200系は200系で安全性が心配」「併売にするべき」など様々な意見も飛び出しました。

 新型グローバル ハイエースの市販化について、トヨタ車体の担当者は「ユーザーの反応をみて検討していく」としており、今後の動向に注目です。