[画像] Amazon倉庫従業員が「だまされて劣悪な環境で働かされた」と告発



イギリスメディアのThe GuardianがAmazon従業員を対象に実施した調査により、一部の従業員が偽りの雇用契約の下で働かされていたことがわかりました。該当する従業員たちは派遣会社を通じて採用されていて、正規採用者の半分以下の給料しか支払われていない人もいました。

Revealed: Amazon linked to trafficking of workers in Saudi Arabia | Amazon | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2023/oct/10/amazon-trafficking-links-claims-saudi-arabia-workers-abuses

The Guardianは、サウジアラビアのAmazon倉庫で働く54人のネパール人労働者にインタビューを実施し、そのうち48人から「雇用条件について誤解を与えられた」と証言を得ました。54人のうち49人はアブドラ・ファハド・アル・ムタイリという派遣会社に雇われていて、ほとんどの人が現地に到着するまで真実に気づかなかったと主張しています。



アブドラ・ファハド・アル・ムタイリは、Amazonや他の大手企業に労働者を派遣しているサウジアラビアの企業です。

労働者の一人、ムムタージ ・マンスールさんは、アブドラ・ファハド・アル・ムタイリに雇われたことに気づかないままローンを組んで採用手数料を支払い、ネパール以上の賃金を出してくれるサウジアラビアへ希望を抱いて飛び立ったそうです。

しかし、空港で待ち構えていたのは派遣会社の人でした。マンスールさんはそれと気づかないまま雇用契約書にサインし、リヤドにある配送センターで働き始めますが、そこで自分に与えられた「IDバッジ」の色が他の人と違うことに気づき、初めて自分が派遣として雇われたことを知ったそうです。



マンスールさんを始めとする労働者は、雇用主から身元を明かされないまま契約を結ばされたり、過酷な労働条件や貧相な住宅が与えられたりしていて、これら慣行はアメリカでは労働者への不当行為に該当するとThe Guardianは指摘しています。

労働者の中には、「雇用主に外国人労働者の移動の自由を管理する権限を与える」という法律に基づき、アブドラ・ファハド・アル・ムタイリから、「数か月分の賃金を支払わないとネパールに返さない」と告げられた人もいたとのこと。こうした契約に縛られるため、あるいは仕事に就くために支払った多額の採用手数料を確保するために、望まない仕事を続ける人も多数いたことが判明しています。



こうした証言は、Amazonが宣言する「労働者は採用プロセスのいかなる時点においても採用費用を請求されることはない」という基準に違反します。本件についてコメントを求められたAmazonは労働者への不当行為があったことを認め、「当社の基準に対する違反が表面化したため対処しました。サウジアラビアの会社と緊密に協力した結果、当社の基準に準拠するコンプライアンス計画を立ち上げるとの同意を得ていて、これには労働者に未払い賃金や採用手数料が返済されること、清潔で安全な宿泊施設が提供されることなどが含まれまする」との声明を発表しました。