[画像] Jabra、PC不要でオンライン会議ができるビデオバー「PanaCast 50 Video Bar System」を発売

オフィス・コンシューマー向けヘッドセットブランドJabraを展開するGNオーディオジャパン(以下、Jabra)は、9月1日からビデオバーシステム「PanaCast」シリーズより、「PanaCast 50 Video Bar System」を発売した。従来の「PanaCast 50」の性能はそのままに、Android OSを搭載。付属のタッチコントローラー「PanaCast Control」により、PC不要でオンライン会議の開始・参加を可能にした。価格はオープン。

 

コロナ禍を経てハイブリッド会議が定着

↑「PanaCast 50 Video Bar System」の使用シーンイメージ

 

コロナ禍を経てリモートワークが普及した一方で、現在、フルタイム出社の勤務形態へと戻りつつある。同社の調査では、約67%がほぼ毎日出社、約15%が週2〜3回出社と、多くの企業が出社を推奨していることが明らかとなった。2021年には、35%の企業がオフィススペースを削減する動きがあったが、同調査の通り出社が盛んとなってきた今では、社内コミュニケーションの場として会議室を増設する傾向が強まっているという。

 

リモートワークとフルタイムのオフィス出勤とを組み合わせることが、現在の働き方では最も効果的であり、会議においても対面参加者とリモート参加者が同席する「ハイブリッド会議」が一般的となっている。同社 代表取締役 安藤靖氏は、こうした働き方の変化によるオンライン会議の増加に伴い、ヘッドセットやスピーカーといった会議用デバイスの需要が高まっていると説明。日本における会議用デバイスなどの状況は、新型コロナ禍以前と比較して、売上規模が約2倍に達したことを述べた。

↑GNオーディオジャパン株式会社 代表取締役 安藤靖氏

 

ユーザーや企業が、会議用デバイスを選択する際にチェックするポイントには、「会議室のサイズ」「オーディオクオリティー」「使いやすさ(UI)」「Cloud Platformとの連動」や、AI機能サポートがある「カメラ機能」、ファームウェアのアップデートによるAIやセキュリティなどの「将来性」が挙げられる。これらのニーズに応えたビデオバーシステムとして開発されたのが「PanaCast 50 Video Bar System」だ。

↑9月1日に発売した、Jabra「PanaCast 50 Video Bar System」

 

高性能なビデオ・オーディオとAI機能搭載で歪みのない映像を映す

「PanaCast 50 Video Bar System」は、先述の通りカメラとスピーカーが一体となった「PanaCast 50」の性能を踏襲した、小中規模の会議室用ビデオバーシステムだ。Android OSの搭載で、アップデートの簡略化と常に最新の機能・セキュリティの状態の維持を可能にした。

 

「インテリジェントズーム」機能では、独自のテクノロジーを活用した180度パノラマ4K対応の視野カメラとAI機能により、参加者の顔にフォーカスして歪まない映像を表示することができる。さらに、「バーチャルディレクター」機能で、アクティブなスピーカー(話者)に自動的に焦点が切り替わり、カメラが自動調整される。

↑「インテリジェントズーム」は「オートフレーミング」とも呼ばれる機能。顔を認識した箇所に焦点を合わせ、適切な画角に自動的に調整する

 

↑「バーチャルディレクター」は「スピーカートラッキング」とも呼ばれる。180度の視野内で、スタジオ収録での「1カメ」「2カメ」というように、瞬時に発話者にフォーカスを当てることが可能となる

 

最大4人を自動的に検出し、個々のビデオタイルにフレーミングする「ダイナミックコンポジション」をハードウェア内で行うことも可能で、これによりクラウドの負荷を低減させることができるという。

↑「ダイナミックコンポジション」機能により、参加者を切り取って個々のビデオタイルにフレーミングすることで、疎外感をなくし、円滑なコミュニケーションを実現した

 

また、同社が「驚きのサウンド」と宣言する、オーディオにも注目したい。マイクは独自のアルゴリズムを採用した8つのビームフォーミングマイクによって、発話者の声を狙って集音することが可能。筐体と一体化した4つのセットアップ方式のエンジニアスピーカーは、駆動時の振動を排除し、高解像度な音声を送ることができる。

↑USBで簡単にPCへの接続が可能

 

ワンタッチで会議が開始できる、タッチコントローラー「PanaCast Control」

↑付属のタッチコントローラー「PanaCast Control」

 

同製品は、付属のタッチコントローラー「PanaCast Control」により、ワンタッチ操作でPCや持ち込みデバイスが無くても会議に参加することができる。同コントローラーには3つのセンサーを搭載。1つ目はパッシブ赤外線と⼈体感知センサー(PIR)で、人が近づくと瞬時にシステムが起動するため、会議を短時間で始めることができる。

↑「PanaCast Control」には、TeamsとZoomがプリインストールされている。操作の際には、使用するプラットフォームを選択してログインするだけでOK

 

2つ目は超音波エミッター。「Zoom Direct Share」をサポートしており、ワイヤレスでプレゼン資料を会議参加者へ共有することが可能だ。3つ目は環境型センサーで、湿度、温度、二酸化炭素などを検知するので、会議室内を常にクリーンな環境に保つことができる(Zoom Roomsのみ対応)。

↑「PanaCast Control」に搭載された3つのセンサー概要

 

同社 エンタープライズセールス ビデオセールス マネージャーの橋本史朗氏は、同社の製品にはファームウェアによって機能追加できる構造が採用されていると説明。

 

「2024年以降も、ファームウェアのアップデートによる新機能追加を予定していますので、ぜひとも長く使っていただきたいです」(橋本氏)

 

さらに、安藤氏が「高性能のオーディオとAIによるカメラ機能、ファームウェアのアップデートによる機能追加など、使いやすさと将来性を判断基準にしたとき、必然的に “オールインワン” のデバイスであるJabraになるのでは、と考えています。我々は、業界に新しい風を吹き込むべく当製品を開発しました」と、新製品「PanaCast 50 Video Bar System」への自信を語った。

↑「PanaCast 50 Video Bar System」の主な初期機能(2023年9月時点)

 

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