電車やバスに乗るならSuicaやPASMO、ICOCAなどを使っている人が多いと思います。タッチすればすぐに乗車でき、首都圏では交通系IC利用率は約95%と非常に高いです

最近、クレジットカードなどで電車やバスに乗れるサービスが始まっています。

タッチ決済って何?

使用するのは「タッチ決済」機能です。

クレカなどにはタッチ決済のマークがあるカードがあります。このマークがあるカードの場合、カードを差し込んでPIN(4桁の暗証番号)を入力する事なくカードをかざすだけで支払う事ができます。

多くのコンビニではタッチ決済に対応しており、交通系ICカードやnanaco、WAONなどを使うのと同じように使え、チャージする必要もないため便利です。

基本的には1万円までの支払いに対応し、1万円を超える場合はPINの入力やサインが必要です。

以前は「コンタクトレス」の名称が一般的でしたが、一番力を入れているVisaが「タッチ決済」とアピールし始めたため、他社も「タッチ決済」と言う名称を使うようになりました。

Visaのカードは国内で1億枚も発行されているため、Visaブランドのカードを持っていれば対応している場合が多いでしょう。

タッチ決済で乗車

最近は、観光地や国際的なイベントなどにあわせて、クレカなどのタッチ決済対応カードで電車・バスなどに乗車できる実証実験が始まっています。

タッチ決済での乗車は海外でも導入されています。日本の場合はSuicaなどの交通系ICカードが一般的ですが、海外からの旅行者が日本に来てから券売機できっぷを買ったり、旅行者用の交通系ICカードを買ったりせずに、自国で使っているクレカをそのまま使えるため、インバウンド対策としても注目されています。

首都圏ではまだ導入されていませんが、南海電鉄や福岡市地下鉄、江ノ島電鉄、神戸市地下鉄(2024年春)などが対応し、Visa、JCB、American Express、Diners Club、DISCOVERのタッチ決済対応カードで乗車できます。

なお、国際ブランドでも大手のMastercardだけが出遅れており、Mastercardのタッチ決済対応カードを持っていても乗車できないので注意しましょう。

tbm_20230713164422.jpg

Q-moveというサイトにユーザー登録(無料)し、利用するクレカを登録すれば乗車履歴も確認できます。リアルタイムには反映しませんが、数分程度で反映します。

ポイントもたまり、キャンペーンも

乗車はカード決済となるため、クレカなどのポイントもたまってお得です。

さらに、最近は、タッチ決済を普及させるために、タッチ決済での乗車キャンペーンも実施している事もあります。たとえば三井住友カードなどのVJAグループのタッチ決済対象カードであれば、九州エリアで電車やバスに乗車すると半額で乗車できます(上限500円)。

過去には江ノ電では1日限りで実質無料のキャンペーンもありました。

福岡市地下鉄では、1日の上限を設け、対象区間は640円を上限に乗り放題になるサービスも開始するなど、割引などのサービスも期待できます。

決済スピードはSuicaなどの交通系ICカードが上回るため、全ての鉄道・バスで交通系ICカードから切り替わる事はないと思いますが、今後は導入エリアも拡大していくと思いますので、「タッチ決済」に慣れておきましょう。

菊地崇仁

ポイント交換案内サイト「ポイント探検倶楽部」を運営する株式会社ポイ探の代表取締役。さまざまなポイントやカード情報に精通し、テレビや雑誌等で活躍中。著書に『新かんたんポイント&カード生活』(自由国民社)等がある。