リニア新幹線のボーリング調査をめぐり、難波喬司静岡市長が「山梨県境まで掘っていい」と静岡県の主張とは異なる意見を述べたことに対し、川勝平太知事は5月29日「難波氏は理事をやめて半年以上が経つ」と元右腕をけん制する姿勢を見せました。

<川勝平太知事>

「掘るなと言っているわけではないんですね。懸念があるまま工事が進みかねないということを心配している」

山梨県で行われているリニア新幹線のボーリング調査をめぐり、静岡県はJR東海に対し、県境300mまでの区間を掘削しないよう文書で要請しました。県は地下水が山梨県側に流出することを懸念しているのです。

これに対して、かつて川勝知事の右腕としてリニア問題を指揮してきた静岡市の難波市長は、個人の見解と前置きした上で「県境まで掘っても何の問題もない」と県の主張とは異なる意見を述べました。元右腕との意見の食い違いに川勝知事は29日の定例会見で次のように語りました。

<川勝平太知事>

「難波氏は理事をやめて半年以上になります。科学的・工学的に議論しているということは説明したい」

川勝知事は「難波氏は理事をやめて半年以上が経つ」とけん制。後任の森貴志副知事から難波市長に対して、現在の県の考えを改めて説明する予定だと話しました。