宿泊先のホテルで就寝していた男性が、無断で部屋に入ってきた男性従業員に足先を舐められて目覚めたという信じ難いニュースがアメリカより届いた。被害者の男性は「飛び起きて叫びましたよ」と衝撃的な出来事を振り返っており、従業員は強盗と暴行の疑いで逮捕されたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

米テキサス州在住のピーター・ブレナンさん(Peter Brennan)は3月30日、仕事で会議に出席するため、テネシー州ナッシュビルの中心地にあるヒルトンホテル系列の「Hilton Nashville Downtown」に宿泊した。その日の夜、ベッドに入ったピーターさんはぐっすりと眠っていたが、午前5時頃に足元の違和感で目を覚ました。そこで足先を確認すると、ホテル従業員がピーターさんの足先を舐める驚愕の光景があった。

ピーターさんは「すぐに飛び起きて叫びましたよ。悪夢のようで、理解できませんでした。『こいつは誰なんだ? なんで私の部屋にいるんだ? ここで何しているんだ?』と状況を把握しようと必死でした。その人は制服を着ていて、名札も付いていました。支離滅裂な様子で話しかけてきて、何をしているのかについて聞いても答えは得られませんでした」と当時を振り返った。

その後、ピーターさんがホテル側にこの事実を訴えたことでナッシュビル警察が捜査に乗り出し、加重強盗と暴行の疑いでデイヴィッド・パトリック・ニール(David Patrick Neal、52)を逮捕した。同ホテルでマネージャーを務めていたデイヴィッドは「ピーターさんのいる部屋から煙の臭いがしたので、確認するために複製したカードキーを使って部屋に入った」と供述したが、ピーターさんも宿泊していた他の客も、煙の臭いはなかったと証言している。またデイヴィッドは「複製したカードキーは部屋を出てすぐに捨てた」と話しており、このカードキーはまだ見つかっていないという。さらに事件が起きる前日、ピーターさんの部屋のテレビに不具合があったため、確認のためにデイヴィッドともう1人の従業員がこの部屋に入っていた事実も明らかとなった。

ピーターさんは「キャンプをしているわけでもなく、常に片目を開けて周囲を警戒しなければならない状況でもない。生きている上で基本的に安心で安全であるはずですよね。目を閉じて得られるはずの安心感を奪われてしまい、家にいてもまだ不安を感じます」と憤っており、ヒルトンホテルに対して訴訟を起こした。

ピーターさんの弁護人であるマイケル・フィッシャーさん(Michael Fisher)は「デイヴィッドには偽造や飲酒運転、過失致死罪など複数の犯罪歴があり、5年間服役した過去があります。ヒルトンホテルはデイヴィッドを雇った時点で、この事実を知っていたはずです。複製したカードキーを所持し、宿泊客の部屋に入る権限を従業員に与える際には、身元調査をする必要がありますから」と述べている。これまで弁護人として複数のケースを担当してきたマイケルさんだが「今回の件はとにかく衝撃的でした。このようなケースは見たことがありません」と付け加えた。

ヒルトンホテルは「『Hilton Nashville Downtown』は第三者によって所有・運営されているホテルであり、ヒルトンの関連会社はこのホテルの従業員の雇用に携わっておりません」としながらも、「お客様の安全と安心は最優先事項であり、今回の件を非常に深刻に受け止めています」とコメントを公表した。

今回の耳を疑うニュースについて、人々からは「これは気持ち悪い」「最悪なモーニングコールだね」「頭の中が疑問でいっぱいだ」などといった声があがり、またあまりに非現実的な出来事だったことから「ヒルトンがこんなサービスをしているなんて知らなかったよ」「これが5つ星ホテルのサービスか」などジョークを飛ばすコメントも見られた。

ちなみに2017年には、米メリーランド州のヒルトンホテルに宿泊していた女性が、部屋のドアの隙間から金属の棒を差し込まれて侵入されそうになったケースが発生していた。

画像は『Metro 2023年5月7日付「Hotel guest wakes up to manager ‘sucking on his toes in bed’」(Picture: MNPD)(Picture: Google)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)