[画像] 【木村和久連載】第二のゴルフ人生を楽しむ「メンバーライフ」――その半年を振り返って

木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第24回

 昨年の秋に茨城の扶桑カントリー倶楽部のメンバーになって、およそ半年が経過しました。その間、倶楽部にキャディバッグを1セット置いておこうと、中古クラブを買いまくったのですが、その挙句、いろんなクラブを打っているうちにシャンクが発生。そのままスランプに陥ってしまいました。

 最近になって、そのスランプからもようやく脱出。やっともとに戻って参りました。

 今思うと、ひとりで何を暴れていたのやら、です。でも、メンバーになったことは後悔していません。むしろ、メリットのほうが多いくらいです。

 具体的に何がいいのか。ここで、いろいろと書き記していきたいと思います。まずは何と言っても、これです。

(1)ラウンドのペースがつかめる
 現在、最低でも月1回はホームコースに行くように心がけています。本当はひとりでふらっと行くのが理想でしたが、それはもう少しスコアが安定してからですね。

 うちのコースは2サムラウンドが可能なので、ひとり友だちを呼べば、のんびりゴルフができます。これが"リハビリ"にはちょうどいいのです。

 おかげで、スランプに陥る最悪のタイミングでメンバーになったにもかかわらず、そのスランプから脱出する環境が整っていた、というわけです。

 最近のラウンドスケジュールは、月3回ほどでしょうか。取材ラウンドや、仲間とのラウンド、そしてコンペなどが月に2回ぐらいあります。それと、月イチのホームコースでの"リハビリラウンド"をして、トータル3回。生活リズムや経済事情的には、理想のゴルフライフと言えますね。

(2)ホームコースは今の調子がわかる
 ホームコースを持つと、毎回同じホールを回るので、飛距離や球筋、方向性といった自らの調子がよくわかります。つまり、目安というか、今日は飛んでいるなとか、スライスが多い、当たりが薄いなど、現状を把握できてとても便利です。

 同様にグリーンの速さもおおよそ一定ですから、練習にはもってこい。ちなみに、扶桑CCのベントグリーンの速さは、スティンプメーターで10フィート。これは、結構速い部類に入ります。

 しかも、グリーンがうねっていて、なかなかカップに寄らない。いまだ3パットが多くて困っています。

 ただこの前、他のコースでラウンドした際、グリーンの速さが10フィートだったのですが、日頃から速いグリーンに慣れているので、即座に対応。カップに寄りまくりでした。

 グリーンの難しいコースのメンバーとなって、「ちょっと失敗したなぁ〜」「せっかくパーオンしてもパーが取れない......」などと嘆いたりもしたのですが、対外的にはそれがよかったようです。

(3)ゲストを呼べる
 個人的には、家に友だちを呼んでホームパーティーをするタイプじゃないので、ホームコースが応接間みたいな役割を果たしています。

 そう考えると、ゴルフは自分も楽しめるし、友だち付き合いや社交にもつながるし、一石二鳥じゃないですか。仕事仲間であれば、打ち合わせにもなるし。彼女だったらデートにもなる......って、それは妄想までにとどめておきましょう。

 昔、学生の頃、「麻雀をやると相手の性格がわかるから、一度麻雀をやってから友だち付き合いを始めたほうがいい」と先輩に言われました。

 そして今、その性格判断として、ゴルフが使われています。叩いた時にキレてクラブを地面に叩きつけるとかね、そういう人とはプライベートでもお付き合いしたくないですね。

 やたら仕切りたがる人、他人に厳しい人も、ケースバイケースですけど、微妙ですね。逆に、すぐボヤく人は個性として接すれば、問題ないようですが。

 メンバーコースのホスト側としては、ゲストから「安くプレーしているのに、お茶の一杯もくれない」と言われたら、ちょっとショックです。ケチと思われるのが嫌なので、レストランや売店ではコーヒーをおごるようにしています。

 客人をもてなす意味では、自宅もコースも一緒です。さりげない気配りはしたほうがいいのです。


応接間代わりにも使えるホームコース。ゴルフも楽しめるうえ、人間関係も広がって一石二鳥。ゴルフはまた、性格診断にも最適です

(4)生活のリズムができる
 以前、他のコースのメンバーだった頃は、毎月月例に参加。文字どおり競技生活にどっぷりハマっていて、「早く月例がこないかな」なんて思っていました。

 でも、自分の成長に陰りが表れ始めた頃、競技に参加しても叩いて帰ってくるだけなので、急につまらなくなったことを覚えています。

 今はまだ競技に出ていないので、落ち込むことは少なく、早く次のプライベートラウンドがこないかと、ワクワクしながら待っています。それが、非常に楽しいです。

 そうして、これから競技にも出て、そこそこの成績を収めてハンデが上がっていく。これがまた、たまらないのです。

 もちろんアマチュアですから、最後のほうは進撃のゴルフも止まって、徐々にしぼんでいくのでしょう。けど今は、シニアとして入会したばかりですからね。しぼんでいくまでには10年はかかります。ゆっくりとメンバーライフ、最後の"黄金の10年"を楽しみたいと思います。

 また、ゴルフのフェーズが変わったことを喜びたいです。要するに、シニア競技に参加できるってことです。従来のバックティー競技とはおさらばし、飛ばなくてもそこそこ頑張れるゴルフが楽しめる。これは個人的に、すごく有り難いことだと思っています。

(5)現状はハンデアップを目指す
 前回、レギュラーティーの前のフロントティーからラウンドしたら、見事に100切りを達成したのはよかったのですが、ハンデが下がりました。というのも、フロントティーだから、コースレートが低かったのです。

 今後の課題は、レギュラーティーから回ってコンスタントに95を切ることですね。

 そういった課題を自らに課したのは、約30年ぶりのことです。あの頃も「100はコンスタントに切った」「次は95以下だ」なんて言っていました。

 そんな蒼い時の自分に戻れるなんて、素敵なことじゃないですか。タイムマシンに乗って、そんな過去にも戻ってみたいものです。

(6)少し自慢したい気持ちもある
 先日、アガサ・クリスティ原作のドラマ『名探偵ポワロ』を見ていたら、「車を買う人間の、その理由の半分は自慢したいため」といったセリフが出てきました。

 時代は1930年代ですから、車は贅沢品。その気持ちがわかります。

 今の時代、多くのコースがネットで予約できます。そうした状況にあって、格安とはいえ、メンバーになった。そこには、やはり見栄という部分もあるのではないでしょうか。

「いいコースですね」と言われると、「あ〜、メンバーになってよかったな」と思います。そう言ってくれた方には、コーヒーを一杯奢りますので、ぜひ誉めてください。

 いよいよこれから、本格的なゴルフシーズンの到来となります。今年は、ホームコースに行きまくるぞ!

 また、折に触れてレポートしますので、お楽しみに。