<ブリヂストンオープン 3日目◇9日◇袖ケ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)◇7119ヤード・パー71>
プロ7年目で今大会初出場の杉山知靖が、大会コースレコードに並ぶ9バーディ・ボギーなしの「62」をマークして、トータル14アンダーでホールアウト。2位に3打差をつけて初優勝をかけて最終日を迎える。
「全体的に清潔感がありますね」。千葉の名門、袖ヶ浦CC袖ヶ浦Cを始めてプレーした杉山のコースの感想だ。「林帯もすごく整備されていて、木の根っことかも感じない。これだけ古いコースだと根が上がってきて『林に入ったら出せないよ』、みたいなのがないです。コース管理の方がメンテナンスされていると感じました。バンカーも機械ではなく、手ならしをしていたので素晴らしいと思いました」。レストランのホールスタッフの数などもチェックし、コース管理員目線でゴルフ場を見ている。
というのも、杉山は神奈川県の名門、レイクウッドGC、平塚富士見CCなどを運営するレイクウッドコーポレーションの“社員プロ”。トーナメントがない時はメンバーさんと回ったり、他のゴルフ場のいいところをアドバイスするコース監修など、プロとしての仕事を行っていることもあり、「つい見ちゃうんですよね〜(笑)」。袖ヶ浦CCは、林にセパレートされた林間コース。「いま所属しているゴルフ場の雰囲気に似ていて、同じ雰囲気の中、リラックスして回れています」。初めてのコースながら、好感触でプレーできているという。
予選ラウンドは風速2〜3m/秒と穏やかな風だったが、この日は5m/秒を超える強めの風が吹いた。ボールが風に流されたり、縦の距離感が合わないなど、風の対応に苦戦する選手が多い中、「ティショットはフェアウェイに行って、セカンドもフェアウェイから打った状況だと、いいところについていたのでやっていて楽しかった」と涼しい顔でバーディを量産した。
風の対応については、「もともとスピン量が少ないタイプ」のため低い球や高い球を打ったりせず、風に流されるようにオーソドックスに打つスタイル。「ピンが奥でフォローの風の時だけ注意しました」と、17番パー3で奥にこぼしてしまったが、それ以外は寄せるのが難しいグリーンの奥に外さず、チャンスを演出。6つのバーディは3メートル以内につけ、加えてチップインが3つあった。
プロ7年目の杉山は、今季7月に行われた下部のAbemaTVツアー「PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE」でプロ初優勝を遂げた。レギュラーツアーでも6度のトプ20入りを経験して、賞金ランキング44位と初シード獲得も濃厚。夏場に調子を落としたが、所属クラブの恵まれた環境の中で基本に立ち返ってからいい流れになっているという。「(今季の成績は)自分でもできすぎなんじゃないかって思うぐらいできていると思うので、この流れで終盤戦もできたらいいなと思います。明日は1打1打に集中して、素晴らしいコースで結果が出たらうれしいですね」と自分のプレーに集中して、初のタイトルを狙う。(文・小高拓)

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