ラクダと言えば砂漠の上をゆったりと歩くイメージがあるが、このほどアメリカで雪の上を興奮して駆け回るラクダの動画が話題となっている。ラクダは初めて見る雪に興奮して嬉しさを抑えきれなかったようだ。『Newsweek』『NDTV.com』などが伝えている。

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米カリフォルニア州オーハイのロス・パドレス国立森林公園内にある宿泊型の農場「ランチョ・グランデ(Rancho Grande)」が今月13日、TikTokにラクダの動画を投稿したところ390万回以上の再生回数を記録し注目を集めた。同農場は200エーカー(約81ヘクタール)ほどの広大な土地の中でヤギやヒツジ、ラクダなどを放牧して飼育している。

話題の動画には、この農場で飼育されている“アルバート(Albert、4)”という名前のヒトコブラクダが登場する。オーハイはロサンゼルスから車で1時間半ほど北上した場所にあり、12月の平均最低気温は5℃、平均最高気温は17℃だが、その日は珍しく雪が降り積もったようだ。

アルバートは小屋から出た後、一面の銀世界に驚いたようで、まるで子犬のように興奮して雪の上を飛び跳ねている。尾を激しく振りながら、両方の後ろ脚を高々と上げてジャンプするラクダらしからぬはしゃぎっぷりに、動画を見た人たちからはこのような声が届いた。

「動物が喜んでいるのを見るのが大好き! だって彼らは最高にピュアなんだもの。」
「最初に見た、ちょっとしたハッピーダンスが彼の嬉しさの全てを物語っているわ。」
「今日の私は最悪だったけど、この動画で少なくとも40パーセントは幸せになったわ。」
「ため息の出るような最悪な朝だったけど、アルバートのおかげで最高の笑顔になれた。アルバート、雪を楽しんでね。」

中にはアルバートを題材にした「絵本を作って」といった声もいくつか見られた。同農場を家族で運営しているリチャード・ムラードさん(Richard Murad)はメディアのインタビューに応じ、こう語っている。

「アルバートは自分を抑えきれなくなって、ジャンプし始めたんです。いつもは私たちと一緒に牧場の奥までついてきて、他の動物たちのために干し草を運ぶ手伝いをしてくれるのですが、今回は一緒にきてくれなかったんですよ。」

リチャードさんの目には、アルバートが家の手伝いを忘れて雪遊びに夢中になる子供のように映ったようだ。またリチャードさんはアルバートの生い立ちについてもこのように明かしている。

「テキサス州でラクダの赤ちゃんが売られていることを知って、問い合わせてみたのです。アルバートを診ていた獣医からは『母ラクダの母乳をうまく飲むことができないため、昼夜問わず哺乳瓶でミルクを与えなければならない』と言われたんですが、私は世話を決意して翌週にはアルバートを車でここに連れて来てもらいました。」

ちなみに英リーズ大学で2019年12月に行われた研究では、かわいい動物の画像や動画を見ることで健康に良い結果を生むことが分かっている。その研究では、試験前のストレスの高い医学生15人と5人の研究スタッフにかわいい動物の画像や動画を30分見てもらったところ、参加者の血圧、心拍数が低下しストレスが軽減したとのことだ。またほとんどの参加者は写真よりも動画の方を好み、特に動物と人間が戯れている動画を最も好んでいたという。

画像は『Rancho Grande Ojai 2022年12月13日付TikTok「Snow camel walks with the goats」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)