東京都の全域で交付が可能な“東京都版”図柄入り自動車ナンバープレートのデザインが決定しました。図柄は「ソメイヨシノと東京タワー」に。小池百合子都知事は観光PRになるとして活用を呼びかけます。

都民1万人賛同の“東京都版”図柄入りナンバー

 東京都産業労働局が示した東京都版の図柄入りナンバープレートのデザインが2022年11月25日に決まりました。3案から都民アンケートで「ソメイヨシノと東京タワー」のデザインを選定。東京都は国土交通省に申請し、来年10月頃から都内全域のナンバープレートに共通する“東京都”図柄入りナンバーとして交付される予定です。


決定した東京都版図柄入りナンバーのデザイン(画像:東京都)。

 東京都のナンバープレートは、運輸支局単位で品川、練馬、足立、多摩、八王子の5種類、ご当地ナンバーとして世田谷、杉並、板橋、江東、葛飾の5種類があり、合計10種類のナンバープレートが存在。また、2025年夏頃には江戸川ナンバーも加わる予定です。東京都版の図柄入りナンバープレートとは、これら11種類の東京都のナンバープレートすべてに、共通して採用されるものです。

「ソメイヨシノと東京タワー」のデザインは、東京都の花であるソメイヨシノの淡いピンクの木立の中に、濃い赤色の東京タワーを配置したデザイン。桜の花びらの「ソメイヨシノ」、江戸切子の模様を表現した「江戸切子・矢来」の2案を押しのけて採用となりました。

 これに先立ち東京都は8月、東京都としての図柄入りナンバープレートを導入すべきかどうかを問うアンケートで都民の意向を確認。さらに10月 に3案を示し、導入を検討してきました。

 小池百合子知事は11月25日の会見で、決定までの状況をこう話しています。

「みなさんの声を聞かせて下さいと申し上げ、1か月で1万人の方に回答いただきました。その中で最も多くの賛同を集めました」

都内では最大4種類から選択可能に

 アンケートはインターネットとイベントなどで募集。「図柄入りナンバープレートを導入することについてどう思いますか」という問いに対し、回答者数9950人。「導入した方がよい」「どちらかといえば導入した方がよい」を合わせた回答が86.0%を占めました。

 都道府県版ナンバープレートの申請は、都民の賛同が必要なため、この結果を得て都が国土交通省に申請、交付を待ちます。新たに「東京」ナンバーが新設されるわけではありませんが、すでに独自の図柄入りナンバーが導入されているご当地ナンバー5地域では、こちらも選べるようになります。交付申込時の寄付金は、渋滞緩和や事故防止などの交通改善、観光振興のために活用されます。


会見する小池百合子都知事(中島みなみ撮影)。

「観光面のPRになるので、ぜひご活用いただきたい」と、小池氏は期待を込めています。

 ちなみに現在は、全国で交付が可能なものとして「全国版図柄入りナンバープレート」と「大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート」 があります。東京都版の図柄入りナンバープレートの交付後は、品川、練馬、足立、多摩、八王子ナンバーでは全国版、万博、東京都版の3種類から、世田谷、杉並、板橋、江東、葛飾のご当地ナンバーでは、地域独自の図柄入りナンバーを加えた4種類の図柄を選べるようになります。