[画像] 各メディアに報道された「Twitterを解雇されて追い出された2人のエンジニア」がいたずらだったと判明



イーロン・マスク氏がTwitterを買収し、旧経営陣を解雇した上、従業員の大部分を解雇する大規模なレイオフを計画していることも報じられています。そんな中、サンフランシスコにあるTwitter本社前で従業員を名乗る2人の男性が段ボール箱を抱えているところがさまざまなメディアによって報じられましたが、この2人の男性は従業員ではなく、単なるいたずらだったことが判明しました。

Pranksters posing as laid-off Twitter employees trick media outlets

https://nypost.com/2022/10/28/pranksters-posing-as-laid-off-twitter-employees-trick-media-outlets/

解雇されたエンジニアを自称する2人のうち1人は「Rahul Ligma」と名乗り、ミシェル・オバマ氏の著書「マイ・ストーリー」を高く掲げました。もう1人は「ダニエル・ジョンソン」を名乗り、「テスラのローンがまだ残っているのにどうやって支払えばいいのかわからない」とつぶやいていたそうです。2人は「Zoomで会議中に解雇されました。これからどこで働けばいいのかはわかりません。しばらくは家族と一緒に過ごすつもりです」と語ったとのこと。

ロイターが行ったTwitterのサンフランシスコ本社前のライブ配信にも、メディアに囲まれてインタビューに答える2人が映っており、以下のムービーで2時間33分頃から見ることができます。

LIVE: Outside Twitter's San Francisco HQ after Elon Musk takes over - YouTube

取材陣に囲まれ、インタビューに答える2人。



経済メディア・CNBCのDeidre Bosa記者は2人の写真と共に、「事は起こりました。データエンジニアチームが全員解雇されました。この写真に写っているのはそのうちの2人です」とツイートしています。



しかし、Bloombergによると、Twitterの社内Slackチャンネルでは「こんなエンジニアは知らない、でっちあげではないのか」という懐疑的な意見が圧倒的で、解雇されたエンジニアではないと見られていたそうです。また、Twitter本社ビルの受付に座っている人がCNBCの記者に対して「あんな2人は見たことない」と答えていたとのこと。

そもそも2人のうち1人が名乗っていた「Ligma」という名前は、「有名YouTuberが『Ligma(Lick my ball:俺のタマをなめろ)』という病気にかかって亡くなった」というウソの書き込みで何も知らない視聴者をだましてバカにするネットミームに由来しています。つまり、ネットミームに明るい人であれば、「Ligma」という名前で冗談だと気づくようになっていたわけです。

Twitterのプロダクトリーダーであるポール・リー氏は「主要な報道機関が基本的な注意を怠り、いたずらに引っかかって誤情報を広めることとなったのは、新オーナーの体制に変わった初日としては実に皮肉なことです。従業員であることを示すバッジを見せてもらったり、箱の中にTwitterの鳥をモチーフにしたものが入っていないか探したりすればいいだけでした。また、私たちはZoomを使いません」とツイートしています。