1585年創業の「菊屋」をルーツにもつ

 (株)本菊屋(TDB企業コード:087005671、資本金300万円、大阪府大阪市中央区高麗橋2−2−12、代表土田喜和氏)と、グループ会社の菊屋(株)(TDB企業コード:248013678、資本金1000万円、同所、登記面=兵庫県西宮市神楽町9−7、同代表)の2社は、9月12日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は外山将平弁護士(大阪市北区天神橋2−5−25若杉グランドビル本館6階、ふじ法律事務所、電話06−6926−4688)。

 (株)本菊屋は、1585年に創業した奈良・大和郡山の城下町で大納言豊臣秀長公の御用菓子司を務めた「菊屋」をルーツにもつ。第二次世界大戦中の統制下、一時的に営業中断を余儀なくされたが、1946年に「名菊」の商標下にて事業を再開し業容を拡大、51年6月に暖簾を分ける形で法人化された。

 大阪・高麗橋に本店を構え、大阪府および兵庫県内の百貨店や商店街、商業施設などで多店舗展開。最中(もなか)をはじめ、焼菓子、棹菓子、干菓子などの各種和菓子を販売し、昭和天皇・高松宮宣仁親王殿下より御嘉納の「菊紋」(十六弁八重表)を下賜されるなど、知名度も相応に高く、代表的な商品には銘菓「名菊最中」や「菊あわせ」などを有していた。

コロナ禍で贈答品需要が落ち込んでいた

 しかし、前身の(株)菊屋<その後、(株)Kホールディングスに商号変更、2012年7月に破産>は70年12月に大阪地裁へ和議を申請。78年(昭和53年)4月に製造部門として菊屋(株)を設立して製販分離を図るなどで立て直しを図っていたものの、その後も贈答用品としての需要が伸び悩むなどで売り上げは減少傾向で推移するなか、受け皿会社として事業を譲り受ける形で(株)本菊屋が2012年(平成24年)2月に設立されていた。

 こうした経緯から信用低下を招いていたうえ、2020年に入ってからの新型コロナウイルス禍で贈答品需要が急減したことで経営が悪化。支えきれず、高麗橋本店を2022年3月15日に閉店していた。

 負債は現在調査中。

 なお、「菊屋」の屋号で事業を展開している(株)本家菊屋(奈良県大和郡山市、TDB企業コード510323949)とは別法人で当社グループとの関係はなく、通常通り営業を行っている。