近年は、アニメや漫画の文化が広まってきたことで、キャラクターのデザインを車体に施した”痛車”を作ったり、車内にキャラクターグッズを飾ったりする人が増えています。

しかし、運転席や助手席周りのダッシュボードにお気に入りのキャラクターグッズを置くと、「視界不良」とみなされて違反の取締りを受けるという声もあるようです。

キャラクターグッズをダッシュボードに置いた状態で運転すると、本当に違反の対象となってしまうのでしょうか?

キャラクターグッズなどをダッシュボードに置かないのが賢明

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結論から述べると、キャラクターグッズをダッシュボードに置いた状態で車を運転すると、違反取締りを受ける可能性は高いと考えられます。

国土交通省が定める「道路交通法」では、第55条の第2項「乗車又は積載の方法」に基づき、違反点数や反則金が定められています。

これによれば、運転者が周辺の状況を確認できない、またはハンドルをはじめとした装置を操作する際に妨害となってしまう状態では、違反で警察の取締りを受けるケースがあるのです。

例えば、窓ガラスへのカーテン取り付けやテレビの液晶画面などをダッシュボードに置くと、前方や側面の視界が確認ができず、安全確認がおろそかとなってしまうでしょう。

同様に、キャラクターグッズをダッシュボードに置いていると、道路交通法の第55条の第2項に該当する可能性があります。

違反を犯して警察の取締りを受けると、1点分の違反点数が課せられるほか、普通車なら6,000円、中型および大型車なら7,000円の反則金を支払わなければなりません。

ダッシュボードへ物を置いたままではディーラーでの車検を断られるケースも

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違反を犯す以外にも、ダッシュボードへ物を置いた状態では自動車ディーラーで車検整備を断られるケースもあるようです。自動車ディーラーで整備・修理を担当する現役のメカニックにお話を伺いました。

「当店で車検を受けていただく際には、ダッシュボードに何かの品物が置いてある場合、事前に車内から出したのち、車検当日にお店へいらっしゃるようにお伝えしています。

理由として、万が一物品が紛失しても責任は負えないからです。走行中に道路交通法で違反に引っかかる可能性はもちろんですが、ディーラーでの整備中、品物が紛失してしまうことも考えられます。

整備中にダッシュボードから別の場所へ物を動かしてしまうとき、大切にされていた小物やキャラクターグッズがどこかに無くなってしまうこともあり得ます。

当店では責任を負いかねるので、車検前に行う見積りの際にお客様へお声掛けをさせていただいています。私どもとしては、お客様との信頼関係で車の整備を受けておりますので、細かいところでトラブルを避けたいと考えています。」

物品の紛失は、ディーラーとのトラブルに発展しかねないため、車検などで車を預ける際は車内に貴重品等を残さないようにしましょう。

また、ダッシュボードにフィギュアやぬいぐるみを飾っていると違反になりかねませんので、交通違反やトラブルとなる前に使い方を見直してみる必要がありそうです。