1日、森保一監督がオンラインの記者会見に応じ、様々な人から寄せられている選手起用や戦術についての疑問に答えた。

1)選手のコンディションを重視した起用をするべきではないか。コンディションがよくても起用されないほど、レギュラーとサブで戦術的理解度や能力の差があるのか。

「チーム作りにおいて、やはりベースはなければいけない。だから序列はあるが絶対ではないと思っている。招集するときの情報収集やその後のトレーニングを見て、走れるかどうか、チームの中で機能できるかどうかということなどを見極めて起用している」

「また代表とクラブの戦術が違い、代表に来たときにスイッチを入れ替えてもらえていなくて連動できていない選手もいるので、そこは自分の課題だと思っている」

2)システムをもっと試してもよかったのではないか。特に3バックは本大会に向けて考えられるオプションであり使える場面があったと思うのだが、なぜ使用しなかったのか。

「確かに3バックについては常に、東京五輪のときから使いたいと思っていたし、オマーンとサウジアラビア戦は3バックにするかどうか戦う直前まで考えていた。ただ直近のオマーン戦で考えると後半両サイドをワイドでプレーしてもらうことで十分機能したので使わなかった」

「システムも大切だが、2列目の選手が内側にポジションを取るのか外にするのかで、表記にかかわらず相手の嫌なことをやっていけると思ったし、基本的なポジションから動いて相手と駆け引きをして、我々にとって有効な攻撃につなげようと考えた」

3)選手の起用について固定されているので先発を相手に読まれて対応されていたのではないか。もっと調子の良さそうな選手を使ったり、選手を起用するポジションをクラブと同じにしてもよかったのではないか。

「スタートのポジションはいろいろあると思うが、可変しながら相手の嫌がることをやっていこうと思っている。また選手が普段やっているポジションでプレーしてもらうことも考えている。だが相手に読まれないようにとポジションを変えすぎるとリズムを最初から崩してしまうことにもなりかねない。やることをしっかりやっていけば自然に勝つ確率が上がるという自信を持っていきたい」

この日の会見は1時間。厳しい質問にも丁寧に答えた森保監督は、最終予選のプレッシャーについて「エゴサーチはしていないが、みなさん(報道陣)からの意見をいただいているのでそこで(心を)強くさせてもらっています」と、冗談めかしながら語っていた。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社】