MVPへ大谷翔平の「凄さ」を回顧、足で魅せた8月のワンシーン
米大リーグのエンゼルス・大谷翔平は投手として9勝、打者として46本塁打、走っては26盗塁と歴史的シーズンを送った。MVPの発表に向け、二刀流の「凄さ」を月ごとに振り返る。今回は8月。13日(日本時間14日)のアストロズ戦では、どん詰まりの打球を内野安打とするだけでなく、隙を見て二塁を陥れてしまった抜け目ない走塁姿勢が驚きを呼んだ。
大谷の走力と意識が珍しいシーンを生んだ。8回2死一、二塁の場面で、大谷は内角98マイル(約157.7キロ)に反応。バットの根元で捉えた打球が、力なく遊撃方向へ転がった。しかし“大谷シフト”が敷かれ、守る野手が誰もいない。三塁手ウィルソンが懸命に追いかける間に1人生還。3点差に迫るタイムリーとなった。
これだけにとどまらない。左翼の守備位置前方でボールに追いつき、座り込んだウィルソンの隙を見て、何と大谷は二塁へ。全速力で滑り込み、セーフとなった。右手を上げてベンチを盛り立てるような仕草も魅せた。
実際の映像を米ロサンゼルス地元放送局「バリー・スポーツ・ウェスト」の公式ツイッターが公開。米紙「USAトゥデー」に寄稿していたマイケル・シュワブ記者のツイッターによると、大谷の打球速度は55.8マイル(約89.8キロ)という緩い一打だった。
米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」などに寄稿していたブレント・マグワイア記者は「抜け目ない走塁で二塁まで進む」と自身のツイッターに驚きを記した。打って、投げてが目立つ大谷だが、両リーグ最多タイの8三塁打を記録するなど優れた脚力も度々脚光を浴びた。ア・リーグMVP最有力にあがっているが、全力の姿勢も支持される一因かもしれない。(THE ANSWER編集部)