リリベット・ダイアナ・マウントバッテン=ウィンザー。ヘンリー王子とメーガン妃の、6月4日に生まれた長女につけられた名前だ。この名前がいま、大きな波紋を呼んでいる。

ミドルネームの「ダイアナ」はもちろん、ヘンリー王子の母であるダイアナ元妃の名前。そしてファーストネームの「リリベット」は、エリザベス女王の幼少期の愛称なのだ。

夫婦そろって王室批判を繰り返してきたにもかかわらず、第2子となる長女に女王の愛称をつけた王子夫妻。

イギリスの大衆紙『デイリー・メール』は《女王の幼少期の愛称を、善意であったとしても軽率に使ってしまったせいで、「リリベット」という名前の価値は仮想通貨よりも勢いよく暴落した》と、ヘンリー王子夫妻を痛烈に批判した。

なぜこれほどまでの反発を招いているのか。ヨーロッパの王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは次のように解説する。

「『リリベット』という愛称は、エリザベス女王の祖父・ジョージ5世が名付けたとされています。女王の夫で、先日亡くなったフィリップ王配殿下も、女王をこの愛称で呼んでおり、特別な思い入れのある名前なのです。リリベットという名前は王室メンバーだけではなく、イギリス国民も含めた皆が大切にしている宝物のようなものでした。聖域といっても過言ではありません」

では、どうして王子夫妻はその“聖域”を侵してまで長女の名前に使ってしまったのだろうか。その背景には王子夫妻が直面している“危機”があるという。

「いまイギリスでは、ヘンリー王子の称号を返上してもらおうという署名活動が起きており、すでに6万8千人以上が賛同しています。もし称号を返上することになっても、長女につけられた『リリベット』の名前で王室との関係を示し続けられるという意図があるのかもしれません」(多賀さん)

■息子に「○仁」命名の可能性も

王室を捨てたにもかかわらず、王室を利用し続けるヘンリー王子とメーガン妃――。国民の反発を顧みない姿勢は、結婚に突き進む眞子さまと小室さんにも重なる。皇室担当記者はこんな危惧を口にする。

「メーガン妃と同じように、小室さんも自分の子供に皇室ゆかりの名前をつけようとしても、不思議ではありません。たとえば男児が生まれたら、『仁』の字を入れるとか……」

天皇陛下は徳仁、上皇陛下は明仁、秋篠宮さまは文仁というお名前だ。男性皇族の名前に『仁』の字が使われだした歴史は古く、56代の清和天皇(惟仁)が最初だといわれている。頻繁に使われるようになったのは、70代の後冷泉天皇(親仁)以降で、1千年近く前からのことになる。

「『仁』には、いつくしみ、思いやり、といった意味があり、天皇や皇族の基本姿勢を表しているといえます。もちろん、一般人が『仁』の字を名前に使っても、まったく問題はありません。ただ、小室さんが眞子さまとの間に生まれた息子にこの字を使ったとしたら……。長女に『リリベット』と名付けたヘンリー王子夫妻と同じように、国民から大きな反発を受けるでしょう」(前出・皇室担当記者)

小室さんはすでに“皇室利用”との疑惑を招いた過去がある。留学にあたって不自然なほどの特別待遇を受けていた件だ。

「小室さんは5月、ニューヨークのフォーダム大学を卒業しましたが、入学の際には大学の公式ウェブサイトで『眞子内親王のフィアンセ』と紹介されていました。しかも、初年度の授業料全額分の奨学金が支給されていたのです。そのため、小室さんは皇室とのつながりを利用して奨学金を勝ち取ったのでは? という疑惑が噴出したのです。小室さんはいまだに、この真相について答えていません」(前出・皇室担当記者)

■佳代さんから一文字とって命名も…

菅政権のもと、3月から会合を続けている皇位継承問題に関する有識者会議は、男系男子による継承を維持するべきとの意見をまとめる方向だと報じられている。もし女系天皇が容認されれば、眞子さまと小室さんの子供が皇位継承資格を持つことも考えられるが、その可能性は極めて小さくなったといえる。

年内にも結婚するとみられている眞子さまと小室さん。このままでは、皇室との関係は断ち切られてしまうが――。

「そうなったとしても、ヘンリー夫妻と同じように子供に皇室ゆかりの名前をつければ、皇室との関係性を示すことができる……。小室さんがそのように考えていたとしてもおかしくはありません。小室さんの母・佳代さんは『佳』の文字の一部分をとって、息子に『圭』と名付けたそうです。そう考えると、佳代さんから一文字とって『佳仁』という名前が浮かんできます。もし、皇室との関係性をより強く示すならば、雅子さまや美智子さまのお名前から『雅仁』や『智仁』という案もありえます。あくまで邪推にすぎませんが……」(前出・皇室担当記者)

ただ、宮内庁関係者はこうした臆測にくぎを刺す。

「小室さんとの結婚問題では批判を呼んでいる眞子さまですが、皇族としてのお役目はたいへんしっかり果たされてきました。若い皇族の中で一番の“優等生”といわれてきた眞子さまです。ヘンリー王子夫妻のような軽率なやり方で、皇室を傷つけるようなことは決してないと思います」

はたして眞子さまと小室さんは、イギリス王室で勃発した“命名騒動”を、どのような気持ちで見ているのだろうか――。