家に帰らずにそのまま空港の安全な場所に3カ月間も隠れ住んでいた男性が2021年1月16日に逮捕され、起訴されました。男性は「新型コロナウイルス感染症が怖くて、家に帰れなかった」と供述しているとのことです。

Man lived inside O’Hare for 3 months before detection, prosecutors say - Chicago Tribune

https://www.chicagotribune.com/chi-christy-gutowski-staff.html

Man found living in Chicago airport for three months 'due to fear of Covid' | Coronavirus | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/2021/jan/18/man-found-living-in-chicago-airport-for-three-months-due-to-fear-of-covid

空港の制限区域への不法侵入および窃盗の罪で起訴されたのはカリフォルニア在住のアディティア・シン被告人(36歳)です。検察によると、シン被告人はロサンゼルスからの飛行機で2020年10月19日にシカゴ・オヘア国際空港に到着してから、3カ月にわたってオヘア国際空港内に住み着いていたとのこと。



シン被告人は2020年10月26日に一度従業員から声をかけられていましたが、空港のマネージャーが紛失した空港IDバッジを偶然拾っており、そのIDバッジを提示することでその場を免れたそうです。また、3カ月の間の食事は空港の利用客が恵んでくれていた食べ物で済ませていたとのこと。

しかし、シン被告人は2021年1月16日にユナイテッド航空の従業員から身分証明書の確認を求められ、警察に通報されて身柄を拘束されることになりました。シン被告人は3カ月間も空港に隠れ住んだ理由について、「新型コロナウイルスのせいで、家に帰るのが怖かった」と証言しています。

裁判官のスサナ・オルティス氏は「裁判所は、これらの事実と状況が極めて衝撃的であると認めます。被告人が偽のIDバッジを使って空港の安全な場所にいたとされており、空港が絶対的に安全である必要性に基づいて、被告人の行為は地域社会にとって危険なものだったと認識しています」と述べています。



裁判は2021年1月27日から開始される予定。シン被告人の保釈金は1000ドル(約10万4000円)で、もし保釈金を支払って釈放されても、空港への立ち入りは禁止されるそうです。

オヘア国際空港を管理するシカゴ航空局は「協調的で多層的な法執行ネットワークで維持されている空港の安全とセキュリティよりも優先順位が高いものはありません。この事件は調査中ですが、被告人が空港や旅行者に対してセキュリティ上のリスクをもたらさなかったと判断できました。私たちは法執行機関と協力し、徹底した調査を今後も続けていきます」とコメントしました。