NYメディアは「オファーを検討することはフロントとして賢い」

 ポスティングシステムを利用し、メジャーリーグに挑戦する可能性のある巨人・菅野智之投手。日本球界でも屈指の好投手の動向には米メディアも熱い視線を注いでいる。

 ニューヨークのスポーツ専門メディア「Mets Merized Online.com」は「メッツは来月にトモユキ・スガノの獲得を狙うべきだ」と題する記事を掲載。4年間、ナ・リーグ東地区でプレーオフ進出を逃しているメッツに、菅野獲得を進言している。

 メッツは9月にヘッジファンドマネージャーで大富豪のスティーブ・コーエン氏が球団を買収。11月に正式に球団のオーナーに就任した。豊富な資金力を持つコーエン氏が新オーナーとなったメッツは、今オフのFA市場で最大の目玉であるトレバー・バウアー投手の獲得を目指すなど、積極的な補強に動いている。

 その中で同メディアは「読売ジャイアンツの31歳右腕のトモユキ・スガノの獲得は、今季ナ・リーグCY賞右腕の獲得が失敗となった場合の堅実なバックアッププランになり得る」と、バウアー獲得に失敗した場合の“二の矢”として菅野獲得を進言。「来月彼が獲得可能になる際に少なくともオファーを検討することはフロントオフィスとしては賢いことだろう」とした。

譲渡金含めて約50億円なら「悪い金額ではない」とも

 メッツはエースのデグロムの他に剛腕のシンダーガードも在籍。しかしシンダーガードは3月末にトミー・ジョン手術を受けた影響で来シーズンの開幕には間に合わないとされている。そのため記事では、菅野ならデグロムに次ぐローテ2番手の座を争える存在だとしている。菅野はポスティングシステムを利用しての移籍となるために、年俸の他にも譲渡金が必要となる。記事では、仮に4年総額4000万ドル(約42億円)の契約を結んだ場合に巨人に対して760万ドル(約8億円)を支払う必要があり、合計で4760万ドル(約50億円)がかかることを指摘した上で「過去6年間で日本のトップに立つ投手と目されてきた選手だということからすれば、そんなに悪い金額ではない」と勧めている。

 これまで菅野が日本球界で残してきた成績にも着目し「スガノはマウンド上で苦しい状態の時でも四球を抑え、空振りをたくさん奪える能力を今でも維持していることは明らかだ。同じ日本出身のタナカ同様、スガノの特徴はレパートリーの豊富さにあり、試合で最初から最後までそれぞれの球種をコントロール出来る能力がある」と高く評価した。

 菅野自身はまだメジャー挑戦か、残留かを決断しておらず、記事でも「来オフに海外FA権を取得することになるため、もう1年日本でプレーする決断をして、その後により高額の契約を結べる可能性も残っている」としている。果たして菅野はいかなる決断を下すのか。日本のみならず、米国もその結末を見守っている。(Full-Count編集部)