世界の先進国と比較してもかなり低いといわれる、日本男性の家事参加率。これまで多くのビジネスマンは「仕事で忙しい」という大義名分がありましたが、コロナ禍で在宅勤務が増えたことにより、その理由も説得力がなくなりつつあるように感じます。

その一方で男性自身は家事参加をしたくても、妻にダメ出しをされて意気消沈するのもよくある話。また男性は「家事をよくやっている」と感じていても、妻はそう思っていないケースもあり、夫婦における家事分担は一筋縄ではいかないようです。

夫が家事を「よくやっている」と感じる割合に、夫婦間でギャップあり

今回ご紹介するのは、みんなのマーケット株式会社が実施した「夫婦間の家事分担の理想と現実」に関するアンケートです。こちらで男性自身による家事に対する自己評価と、女性から夫に対する評価をそれぞれ比較。その欠課は以下の通りです。

男性の家事を「全然やってないと思う」と答えた男性3.4%に対し、女性は18.5%。このギャップは厳しい……。

男性自身で家事について、「よくやっていると思う」「どちらかと言えばよくやっていると思う」と回答した人の合計は59.6%。しかし女性の夫に対する評価で同様に回答した人の合計は、40.1%となりました。つまり、夫と妻では19.5%のギャップがあるのです。

思い通りにならない夫の家事、妻はどのくらい許容すべき?

なぜ、このようなギャップが生じてしまうのでしょうか?それは同調査による「パートナーにやって欲しいと思う家事は何ですか?」の質問に対する男女それぞれの自由回答を見ると、なんとなく答えが見えてくるように感じました。

●「パートナーにやって欲しいと思う家事」に関する自由回答

「お願いしないと気付かない。自分の部屋は自分で掃除機をかけてほしい」(60代・女性)

「一番トイレを汚す人がトイレ掃除しないのは解せない。洗剤の詰め替えやトイレットペーパーの入れ替えなど、細かいことが丸投げなのもじわじわ苛つく」(40代・女性)

「ゴミを捨てに行くのはいつもしてくれますが、部屋中のゴミを集めて袋を補充するところまでやって欲しい」(40代・女性)

「料理してくれるのはありがたいが、散らかってる、出しっぱなし。キッチンは特に汚れるから掃除までやって欲しい」(40代・女性)

これらの女性の自由回答で共通しているのは、いわゆる“見えない家事”に対するギャップです。「ゴミを捨てる」家事はただゴミを捨てるだけではなく、部屋中のゴミを集めて袋を補充するところがまでがワンセット。料理をするにもキッチンの掃除までがワンセットと女性は考えていますが、男性側にそれが伝わらない。その認識の違いが、男性の家事に対するギャップの原因なのではないでしょうか?

とはいえ男性からすると、見えない家事に気づかないことに悪気はないのでしょう。しかも、せっかく家事参加をしてもそんな不満を持たれてしまったら、がっかりしてしまう気持ちも理解できます。

今回、男性の家事に納得がいかなかった女性の意見で、「すべて気に入らない。やり直すくらいなら自分でやった方がマシ。手伝ってもらいたいといいながら矛盾しているのはわかっている」(40代・女性)というものがありました。かなり辛辣な意見ですが、この意見は女性のジレンマが、とてもよく表現されているのではないでしょうか?

多少トイレが汚くても死にはしない、という意識も必要?

家事に鈍感な男性に「もっと気づいてほしい」と願う一方、家事のやり方に完璧を求めすぎてしまう女性も多いように感じます。自分が家事に対して「こうあるべき」という理想像を少し崩してみる……そんな意識を持つことで、少しでも夫婦の家事に対する意識のギャップが埋められるかもしれません。

【調査概要】
調査主体 :みんなのマーケット株式会社
調査タイトル :「夫婦の家事分担」に関するアンケート調査
調査対象 :「くらしのマーケット」会員の男女497名
調査期間 :2020年9月17日〜9月24日
調査方法 :インターネット調査