中国には北京と南京があり、かつては西京と呼ばれる都市もあった。では、なぜ東西南北の「京」のうち、東京だけが日本にあるのだろうか。中国メディアの百家号は25日、中国には北京、南京、西京があるのに、なぜ東京だけ日本にあるのかと題する記事を掲載した。

 記事によると、北宋時代には東京開封府、西京河南府、南京応天府、北京大名府の4京制だったという。つまり、中国にはかつては西京も東京もあったと言え、東京は現在の河南省開封市に位置すると伝えた。当時は100万人の人口を抱える全国最大都市で、世界でもこれほど栄えた都市はなかったはずだと振り返っている。しかし、宋の滅亡で「東京」も破壊されてしまい再建されなかったそうだ。

 一方、日本の東京は命名されてから200年にも満たないため、中国の東京とは何の関係もないと記事は指摘。日本では首都を京都から江戸に移す際に京都と区別するために「東京」と名付けられたと紹介している。日本人はかつて唐の時代に中国から服装や化粧などを学び、同時に「多京制」も取り入れたので、日本には京が複数あると伝えた。

 結局のところ、日本に「東京」があるのはたまたまだと言っても良いだろう。いずれにせよ、日本は漢字文化や思想などで中国からの影響を受けており、東京が日本にあるということも中国人にとっては親しみを感じる一面になっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)