もうひとりの左利きの天才が名波です。稀代のゲームメーカーであり、僕と同い年では断トツでサッカーが上手い人です。なにせ歴代最強と言われる02年の磐田の最重要人物ですよ。他にもスーパーなメンバーがいましたけど、やっぱりこの人が真ん中にいたからこそ、あの時の磐田があったと思います。

 あともうひとりは、「天才と言えば……」という人。日本サッカーの最高傑作じゃないですかね、小野は。この人のプレーは再現できないんですよ。俊輔と名波のプレーはかろうじて理解できるけど、小野のプレーは常人には理解できない。ステップとか身体の軌道とか『どうなってんの?』って。精鋭揃いの黄金世代がみんな口を揃えて、「小野を初めて見た時は、天狗の鼻が折れた」と言いますもんね。帝京高で不動のトップ下だった中田浩二でさえ、「伸二には敵わないから、僕はポジションはどこでもいいです」って言ったらしいですよ。世代を代表する選手たちにそう思わせるって、どれだけ凄いんだと。人間性も素晴らしいし、この人は絶対に必要ですね。そして、そんな天才3人に言いたいのはひとつだけ。「ファンタジーで僕を楽しませて」。

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PROFILE
ワッキー/1972年7月5日生まれ、北海道出身。お笑いコンビ「ペナルティ」のボケ担当。J1の年間306試合をすべて視聴するほどのJリーグファン。高校時代には千葉県の名門・市立船橋高で活躍。インターハイで全国制覇を経験し、全国選手権にも出場した。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

※『サッカーダイジェスト』2020年5月14・28合併号より、加筆して転載。

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