歴史ある映画賞『毎日映画コンクール』の表彰式が13日、神奈川・川崎市で行われ、田中絹代賞に選ばれた女優・風吹ジュンがトロフィーを受け取った。

受賞スピーチに移ったところで「役者の道を目指してから、もう45年も経ってしまいました」と話しはじめ、これまでの女優業とプライベートも含めた浮き沈みを口にした。

▼ 風吹ジュン

『毎日映画コンクール』で田中絹代賞を受賞


「私は、1974年のコマーシャルでデビューいたしました。そして翌年にドラマ『寺内貫太郎一家 パート2』に起用されたことで、役者の道を目指すことになりました。そこで、素晴らしい方々との出会いがあってから、もう45年も経ってしまいました」

「その道は、平坦な道ではありませんでした。辛いときには、3回ほどゼロ円になる生活があって…頭を抱える日もありました。シングルマザーとして二人の子供を抱えた時も…。その翌年、この毎日映画コンクールにおいて、映画『無能の人』で助演女優賞を頂きました。それが、どれほどのチカラになったか、わかりません」と多謝。

「そして今日、田中絹代賞の受賞です。本当に人生、何があるかわからないという実感があります。また、これからも演技することを楽しみ、この受賞を励みに、勇気を持って色んな役に挑戦していきたいと思います」と新たな決意を示していた。

1946年に始まったという『毎日映画コンクール』は、カンヌ映画祭と同じ歴史を誇り、今年で74回目の開催。主な受賞者は、以下の通り。

◆日本映画大賞/『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)
◆日本映画優秀賞/『新聞記者』(藤井道人監督)
◆外国映画ベストワン賞/『ジョーカー』(トッド・フィリップス監督)
◆アニメーション映画賞/『海獣の子供』(渡辺歩監督)
◆ドキュメンタリー映画賞/『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋』(伊勢真一監督)
◆大藤信郎賞/『ある日本の絵描き少年』(川尻将由監督)

◆監督賞/石川慶氏『蜜蜂と遠雷』
◆脚本賞/阪本順治氏『半世界』
◆撮影賞/クリストファー・ドイル氏『ある船頭の話』
◆美術賞/磯田典宏氏『カツベン!』
◆音楽賞/RADWIMPS『天気の子』
◆録音賞/藤本賢一氏『半世界』
◆特別賞/宮本まさ江 (衣装)

◆男優主演賞/成田凌『カツベン!』
◆女優主演賞/シム・ウンギョン『新聞記者』
◆男優助演賞/吉澤健『凪待ち』
◆女優助演賞/池脇千鶴『半世界』
◆スポニチグランプリ新人賞/鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』
◆スポニチグランプリ新人賞/関水渚『町田くんの世界』

◆TSUTAYAプレミアム映画ファン賞 日本映画部門 『凪待ち』(白石和彌監督)
◆TSUTAYAプレミアム映画ファン賞 外国映画部門 『ジョーカー』