GPファイナル最下位、ロシア国内で指摘される敗因にブッテルスカヤ氏が見解

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子はアリョーナ・コストルナヤ(ロシア)が世界最高の合計得点で優勝。エテリ・トゥトベリーゼ氏の教え子3人で表彰台を独占したが、同門の平昌五輪女王アリーナ・ザギトワ(ロシア)はよもやの最下位に終わった。99年にロシア初の世界選手権女王となったマリア・ブッテルスカヤ氏は、ロシアメディア「russian.rt.com」のインタビューで敗因を問われ、ロシア国内で指摘される「体形変化」について見解を語っている。

 ショートプログラム(SP)こそ2位につけたが、フリーで回転不足を連発し、まさかの最下位に沈んだザギトワ。コストルナヤを筆頭に2位のアンナ・シェルバコワ、3位のアレクサンドラ・トルソワ(ともにロシア)と同門の3人とは対照的な結果となったが、17歳が苦戦した理由はどこにあったのか。ブッテルスカヤ氏が語っている。

 記事によると、「ザギトワは現時点で自分の最大限の滑りはできたか」と問われた同氏は「SPですべての魂を込めたとても素晴らしい滑りを見せ、正当に2位になりました」とした上で「しかし、彼女はミスが許されない。そう、ザギトワはもう五輪女王です。彼女は何が何でもすべての人に自分がミスなしの滑れることを見せなければいけない」と指摘した。

 うまくいかなかった理由については「私の考えでは精神的なものだと思います」とメンタル面にあると分析。「ザギトワの問題は頭から来ています。彼女には自信が足りず、技術点の部分で他のスケーターに負けているのが分かっている。そこから綻びが生まれました」と語り、心の余裕が足りないことが背景にあると見ていた。

「体形変化」に見解「太っているようには見えない」「これは誰にでも起こること」

 一方で、話題はザギトワの体形変化に言及した。質問者から「あなたにはアリーナが余分な体重が増えたように見えましたか? (解説者の)タラソワ氏とアベルブフ氏は生中継で気がねせず、肉眼で体の変化が見えると語っていましたが……」とデリケートな問題に切り込まれると、ブッテルスカヤ氏はこう答えた。

「テレビの映像は実際とは異なった印象を与えることがあります」と断った上で「しかし、アリーナは太っているようには見えません、女性らしく見えます。そう、彼女はもう女性なのです。戦うのが大変です。平昌五輪では彼女は少女でした。そして今、成長が始まった。これは誰にでも起こることで、体重が増えますし、残りのスケーターにも同じことが言えます」と分析した。

「加えて、ザギトワは今、考え方や精神面が全く違ったものになっています」と指摘。「彼女は何のために滑っているのかを分かる必要があります。なぜなら、他のスケーターはすべての力を振り絞って戦おうとするでしょうが、彼女はもうすべて勝ってしまいすべてを達成してしまった」と見解を語り、成長による体形変化を認めながらも、モチベーションに問題があると見ていた。

 しかし、すでにピークを過ぎているのかについて、ブッテルスカヤ氏は否定。「ザギトワはフィギュアスケートで多くのことを成し遂げました」と語り、さらに「クラスノヤルスクで行われるロシア選手権を待つことにしましょう。たった2週間後です。そこでは興奮が私たちを待っています」とし、今大会からの巻き返しに期待を込めていた。(THE ANSWER編集部)