バンダイは「第59回 全日本模型ホビーショー」にあわせて、美少女フィギュアのプラモデルシリーズ「Figure-rise LABO 南ことり」を発表しました。

美少女フィギュアを一般的なビニール樹脂ではなく、組み立て式のプラモデルで展開するFigure-rise LABO(フィギュアライズラボ)。誰が組み立てても同じ質感になるよう、塗装なしで顔や肌、衣服の質感を表現。そのために、プラモデルの一体成形の成形色だけで、フィギュア特有のグラデーションやツヤ感を再現するという技術的なチャレンジを行っています。

LABOだけに毎回"研究テーマ"があり、第3弾となる今回は「衣装」にフォーカスがあてられています。キャラクターは『ラブライブ!』の南ことり。作中ではスクールアイドルユニットのメンバーとして、ステージ衣装のデザインを担当しているという役柄です。

Figure-rise LABOでは、ことりの手作り衣装という設定でオリジナルデザインをフィギュア化。プラモデルで使われることの少ない素材をふんだんに活用しているのが見どころです。原型製作はホビーメーカーのALTERが担当し、プラモデルの技法で再現されています。

ことりのブーツや手にしたハート型の風船は、ビニールのようなツヤを持つ素材で成形。一見してランナーから外して組み立てるモデルとは思えない質感表現に。衣装のフリル部分はラメ入り素材を採用し、レースの細かい凹凸も金型成形によって再現されています。

また、第1弾からこだわっているという肌の質感表現は、今回も顔で採用。複数のカラーの樹脂を一体で成形する技術を活用して、ラブライブ!シリーズらしい頬の赤みや、細い眉など、微妙なニュアンスが表現されています。アニメーションに近い可愛らしい出来映えで、これが素組みのプラモデルだというのは驚きのひと言。むしろプラモデルだと知らないで見たら何が凄いのかもわからないかもしれません。


▲顔の部分は1つのランナーで複数色成形。頬のふわっとした赤みも再現します。コストの都合上、多色ランナーは今回顔だけとのこと

▲瞳ももちろん成形色で表現。瞳のハイライトは、縁に丸みを持たせることでアニメ絵のぼかしが再現されています。王冠はドット配置をあえてずらすことで手作り感を表現


▲成形色だけにも関わらず、多彩な質感を表現が見どころです

全日本模型ホビーショーにて展示されていた試作品では、一部手塗りで塗装した部分が残っているそうですが、製品版ではほとんどの部分がプラモデルの成形色で表現されるとのこと。シールを使うのは髪留めと足元のリボンだけとなるそうです(バンダイの担当者いわく、ことりちゃんの足元にリボンを巻く体験ができる模様)。

実験的な商品ということで、お値段は7150円(10%税込)と、プラモデルとしてやや高額。それでも一般的な樹脂製フィギュアに比べれば、割安な価格設定と言えるでしょう。発売は2020年2月の予定です。

▲第1弾の「Figure-rise LABO ホシノ・フミナ」では多色一体成形で透き通る肌の表現を追求


▲第2弾の「Figure-riseLABO 初音ミクV4X」(12月発売予定)では成形色のみで髪のグラデーションを表現。偏光パール素材によるツヤ表現も取り入れられています