本当に必要な人材は有能な外国人選手ではなく、チームマネジメントのできるフロントスタッフではないだろうか。
阪神がヤンハービス・ソラーテ内野手(32)を解雇する方針を固めた。「こんなん許したら、もう、チームが成り立たない!」という、谷本修球団本部長の言葉からして、正式退団は時間の問題だろう。
「矢野燿大監督(50)もご立腹です。ソラーテの質問をするだけで不機嫌になるというか」(在阪記者)
ソラーテは一軍に再合流したのは、9月6日。ユニフォームに着替えて球場入りもしたが、矢野監督に「モチベーションが上がらない」と“泣き”を入れてきた。場所を変えて話し合ったが、矢野監督を怒らせるだけだったという。同日に予定されていた出場登録は見送られ、解雇手続きが進められた。
こうした経緯を聞いていると、ソラーテに非があるのは明白だ。この件を何人かのプロ野球解説者に聞いてみた。すると、意外な答えが返ってきた。「外国人選手では、よくあること」。
「気分屋なんだよね。それは、昭和時代のプロ野球からずっと変わっていません。感情の起伏が激しいというか、ノッている時とそうでない時があって、監督、コーチ、フロントも、外国人選手には多かれ少なかれ、そういう一面を持っていると捉えているはず」
もちろん、クライマックスシリーズ進出権を懸け、もう1敗もできない厳しい戦いが続いている中での「やりたくない発言」は許されない。要するに、ソラーテのモチベーションを持続させるような環境が作られていない阪神にも、改善点があるというわけだ。
コーチ経験を持つプロ野球解説者がこう言う。
「一例を上げると、巨人のゲレーロですよ。去年までは感情の起伏が激しく、二軍調整中、その視察に現れた高橋由伸監督(当時)との話し合いすら拒否しました。それが今、ノリノリで野球をやっています。原辰徳監督のほうが高橋前監督よりも年を取っている分、ゲレーロのワガママを許し、おだてて、ノセてやることができるんでしょう」
だが、こんな指摘も聞かれた。外国人選手を獲得する際、その性格も調査しているそうだ。日本人選手のようにマジメにやってくれるに越したことはないが、日本での生活に馴染めないほど、感情の起伏が激しい選手、あるいは、異国での生活でナーバスになりやすいタイプは、獲得を見送る。外国人選手を売り込む側の代理人にしても、クライアントがその能力を発揮できない環境であれば、入団交渉は進めないはずだ。
阪神はこうした“適性判断”の調査をやらなかったのではないかと、疑問を呈する声も聞かれた。
「シーズン途中での緊急獲得だったので、性格面まではきちんと調査しなかったのでしょう。二軍調整となった場合、通訳がつかない時もありますから」(前出・在阪記者)
関西圏のテレビ番組で目下、取り上げられている阪神情報は「鳥谷の退団問題」。番組に出演した阪神OBの中には“球団批判”とも取れるコメントもあった。OBがタイガースに対し、厳しい物言いをするのは珍しいことだ。阪神はまだチーム再建の途中だが、優秀な外国人選手よりも、トラブルを未然に防ぐことのできる優秀なフロントスタッフを獲得すべきではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
ハピタス
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