[画像] 巨人?阪神? 優勝するのはどっち? カギを握る甲子園での直接対決2連戦

 「阪神3−0ヤクルト」(16日、甲子園球場)

 2位の阪神が4連勝で貯金を今季最多の11とし、勝負の7連戦を5勝1敗(雨天中止1試合)で乗り切った。首位の巨人も中日を7−1で下し、7連戦を5勝2敗とした。残り試合数は巨人が12、阪神が10で2ゲーム差。この2球団に絞られた感のあるセ・リーグの優勝争い。有利なのはどっちだ。

 日程面にゆとりを感じるのは阪神だ。18日の中日戦から1日挟んで4連戦。さらに3日間の空白期間を挟んで4連戦。そして、2日間の空きを挟んで10月3日のDeNA戦が最終戦となる。最大連戦が4試合と短く、4連戦と4連戦の間に3日間の空白期間があることも、ここまでの疲労度を考えればプラスに働くはずだ。

 一方の巨人は、18日から6連戦。1日空いて5連戦。そして2日空いた10月2日のDeNA戦がレギュラーシーズン最終戦となる。既に戸郷、菅野が中4日を解禁してラストスパート態勢に入っており、阪神より過密な日程がどう出るか。

 阪神OBの中田良弘氏は巨人の日程について「6連戦ぐらいなら、これまでの日程と変わりないから、キツさは感じないというか、精神的にプレッシャーになるほどではないと思う。ただ、巨人は阪神に比べると、少し早めにスパートをかけているから、そこがこの最終盤でどう出るか。中4日の解禁が少し早いなと個人的には思ったから、もしかすると最後の最後で戸郷、菅野が崩れる可能性がないとは言えない。息切れが若干心配ではある」と指摘した。

 一方の阪神については「阪神は中継ぎ陣の踏ん張りに支えられているチームだから、このゆとりある日程はプラス以外の何物でもない。特に桐敷と石井は登板数も多いだけにね、3日間の休息というのは大きい。一定のリズムで戦えないことよりも、休めるってことが一番プラスに作用すると思う」と解説した。

 巨人と阪神の直接対決残り2試合は、22、23日(ともに甲子園)に組まれているが、興味深いのはそれぞれの対戦相手だ。巨人は18日からDeNA、広島との2連戦が組まれており、阪神も巨人戦前にDeNAとの2連戦が組まれている。

 中田氏は「もちろん優勝争いの直接的な決め手になるのは、甲子園での直接対決になるんだろうけど、両チームとも決戦前にDeNAとの2連戦が組まれているのが面白い。DeNAは特に打つチームだし、広島と3位を争ってるから、消化試合にもならない。巨人は阪神戦前の4試合、阪神は巨人戦前の3試合をどういった勝敗とするのかも注目ポイントのひとつになるんじゃないかな」との見解を示した。

 巨人は残り12試合中4試合が東京ドーム開催で、8試合はビジター。阪神も10試合中、甲子園開催は4試合で、ビジターが6試合という内訳。「やっぱりね、本拠地で戦えるという優位性はあるから、巨人戦を甲子園で戦える阪神が有利になるかもしれない」と中田氏。今季の巨人−阪神戦は11勝11敗1分けの五分。東京ドームでは巨人が8勝4敗と圧倒したが、甲子園での伝統の一戦は、7勝3敗1分けで阪神が圧倒している。

 就任1年目の巨人・阿部監督が4年ぶりのリーグ制覇を引き寄せるのか、はたまた阪神・岡田監督が球団史上初のリーグ連覇を成し遂げるのか。勝負は第4コーナーを回り、間もなく最後の直線を迎える。(デイリースポーツ・鈴木健一)