(台北 20日 中央社)蔡英文総統は20日、台北市内で開かれたアジア太平洋の安全保障に関するフォーラムであいさつし、武力行使を放棄せずに台湾に一国二制度を迫る中国に言及した。香港の例から民主主義と独裁が相容れないことは証明されたと述べ、断固として脅迫に屈さず、自由と民主主義の価値を守り続ける台湾の姿勢を示した。

蔡総統は中国について、軍事的脅威を示すだけでなく、民主国家の自由や多様性などを利用して内政干渉し、外交政策を左右しようとしていると批判。世界の自由がこれらの課題に直面する中、民主のとりでとしての台湾の地政学的な重要性は以前より強まっていると指摘し、「台湾の安全保障は地域と全世界の安全保障に大きく関わる」と述べて防衛力強化への強い決意を示した。

同フォーラムは、外交部(外務省)がシンクタンク、両岸交流遠景基金会に委託して開催した「ケタガランフォーラム:2019アジア太平洋の安全保障対話」。米国のウォレス・グレグソン元国防次官補やオーストラリアのクリストファー・パイン前国防相を含む内外の学者、専門家約20人が、台湾海峡の安全保障や中国の南シナ海における動きや戦略が持つ意味などについて議論した。

(侯姿瑩/編集:塚越西穂)